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2024年12月21日

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アンモニア燃料船の新基準策定で開発加速!2026年施行の安全ルールとは?

国際海事機関(IMO)第109回海上安全委員会(MSC 109)の開催結果概要 ~アンモニア燃料船の安全基準が策定されました~(国交省)

国際海事機関(IMO)の第109回海上安全委員会(MSC 109)が2024年12月2日から6日にかけて開催され、アンモニア燃料船の安全基準や自動運航船(MASS)の国際ルールの策定に向けた議論が行われました。この会議では、海事業界の将来に重要な影響を与えるいくつかの重要事項が話し合われました。

まず、アンモニア燃料船の安全基準に関する議論が進展しました。温室効果ガス削減に向けた国際的な取り組みの一環として、アンモニアを燃料とする船舶の開発が世界各国で進められています。我が国は、2022年のMSC 105会合でこの基準を提案し、議論を主導してきました。その結果、アンモニア燃料船の安全基準が今回策定され、この基準に基づき、より多くの船舶が安全かつ効率的に開発されることが期待されています。

また、自動運航船(MASS)の国際ルール策定についても大きな進展がありました。自動運航船はヒューマンエラーによる海難事故を減少させる可能性を秘めており、各国がその開発を進めています。今回の会合では、遠隔操船、通信の接続性、リスクアセスメントなどの具体的な要件が最終化されました。これにより、2026年のコード最終化を目指して、さらに具体的な議論が進められる予定です。特に、捜索救助に関する要件や緊急時対応についても、具体的な検討が行われ、今後の規則策定の基盤が整えられました。

その他、義務要件の改正案も採択されました。例えば、アンモニア運搬船を対象とした国際ガスキャリアコード(IGCコード)改正案が承認され、2026年7月1日に発効する予定です。また、国際ガス燃料船コード(IGFコード)の改正案も採択され、2028年1月1日に発効が予定されています。これにより、より安全で環境に配慮した燃料利用が促進される見通しです。

温室効果ガス削減に向けた取り組みとしては、新技術や代替燃料の導入に必要な安全規則を特定する作業が進められています。今回の会合では、新たにリチウムイオン電池スタックをリストに追加し、その課題解決のための作業計画が議論されました。この分野では、代替燃料や新技術に関する規制の整備が急務となっており、今後の議論に注目が集まります。

さらに、海事サイバーセキュリティの強化も重要な議題として取り上げられました。近年のサイバー攻撃の脅威が増加していることを受けて、ガイドラインの改正案が審議されました。これにより、船舶や港湾施設のセキュリティをより強固にするための具体的な提案が次回会合に提出されることが決まりました。

また、無線通信や航行安全に関する新たな取り組みも進められています。具体的には、VHF音声通信のデジタル化が計画されており、これにより海上通信の効率が向上することが期待されています。さらに、新たな電子海図基準であるS-100シリーズ対応の電子海図情報表示装置(ECDIS)についても、インターネット通信導入枠組みを含むガイドライン作成が開始される予定です。

以上のように、MSC 109では、環境保護、安全性向上、技術革新に向けた多岐にわたる議論が行われました。これらの議論の成果は、国際海事業界にとって重要な指針となるでしょう。これからの具体的な施策の実施が期待されます。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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