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2024年8月16日

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一般労働者の給与が664,455円に増加、前年比4.9%の上昇で人材確保競争が激化

毎月勤労統計調査 令和6年6月分結果速報(厚労省)

令和6年6月の毎月勤労統計調査結果が発表され、企業の採用担当者にとって興味深い内容が多く含まれています。この調査は、雇用や賃金、労働時間に関するデータを提供し、日本の経済状況や労働市場の動向を理解するための重要な指標となっています。今回の速報では、名目賃金や実質賃金の動向、労働時間の変化、パートタイム労働者の増加など、様々なデータが明らかにされました。

まず、名目賃金の増加が注目されています。全体の現金給与総額は498,884円で、前年同月比で4.5%増加しました。これは30ヶ月連続でプラスとなっており、特に一般労働者の現金給与総額が664,455円と4.9%増加していることが報告されています。パートタイム労働者の給与も5.7%増加しており、121,669円となりました。これは、労働市場全体で賃金の上昇が続いていることを示しており、企業にとっては人材確保のための競争が激化していることを意味します。

一方、実質賃金指数も改善が見られ、令和2年を基準とした場合の指数は143.0となり、1.1%の増加が報告されています。この実質賃金の増加は、消費者物価指数が前年同月比で3.3%上昇している中でのプラスとなっており、物価上昇に伴う生活コストの増加に対応するための賃金の調整が進んでいることが伺えます。企業にとっては、従業員の生活を支えるための給与調整が求められる状況が続いていることを示唆しています。

労働時間に関しては、総実労働時間が140.5時間で、前年同月比で2.8%減少しました。これは、労働時間の短縮や働き方の多様化が進んでいることを反映している可能性があります。特に、所定内労働時間が130.4時間と2.8%の減少が報告されており、企業が残業削減やワークライフバランスの向上に努めていることが考えられます。また、パートタイム労働者の比率が30.57%と前年度よりも0.41ポイント上昇しており、パートタイム労働が労働市場において重要な役割を果たしていることが確認されました。

さらに、業種別のデータを見ると、建設業や製造業、情報通信業などで賃金の増加が見られます。例えば、建設業では現金給与総額が602,694円で、前年同月比5.1%増加しました。また、製造業でも5.3%の増加が報告されており、特に特別に支払われた給与の増加が顕著で、9.7%増となっています。これらのデータは、特定の業種での人材需要が高まっていることを示しており、企業が優秀な人材を確保するために賃金を引き上げる動きが加速していることが伺えます。

また、パートタイム労働者の賃金も上昇傾向にあります。調査産業全体でパートタイム労働者の時間当たり給与は1,338円で、前年同月比4.9%増加しています。この増加は、企業がパートタイム労働者にも魅力的な条件を提供することで、必要な労働力を確保しようとしていることを示しています。また、特定の業種では、パートタイム労働者の給与増加が著しく、生活関連サービス業では39.0%の増加が報告されています。このような動きは、パートタイム労働者の重要性が増していることを反映しています。

総合的に見ると、この調査結果は、日本の労働市場が引き続き変化していることを示しており、企業にとっては人材確保のための戦略的な対応が求められています。特に、賃金の上昇が続く中で、企業は競争力を維持するためにどのように従業員を引きつけ、維持するかが重要な課題となっています。また、労働時間の短縮やパートタイム労働者の増加といった働き方の変化にも対応する必要があります。これらの動向を踏まえ、企業は柔軟な雇用戦略とともに、従業員の満足度を高めるための取り組みを進めていくことが求められます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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