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2024年3月3日

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介護期間の長さが就業継続に及ぼす影響

介護者の就業と離職に関する調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

日本では、家族の介護をしながら働き続けることは大きな課題となっています。この問題に対処するため、介護離職の現状を明らかにし、効果的な支援策を見つけ出すことが重要です。この目的のもと、介護期間中の勤務形態、職場の支援体制、転職や離職の経験、介護が必要な家族の状況、介護サービスの利用に関する広範な調査が実施されました。調査はアンケート形式で行われ、その結果からいくつかの重要な発見がありました。

介護が必要な期間の平均は約39.5ヶ月に及び、中には10年を超えるケースも存在します。しかし、自宅での介護期間に限定すると、その平均は18ヶ月になります。自宅での介護期間が3年を超えると、介護が始まった時に勤めていた職場で働き続けることが難しくなります。

介護休業制度がある場合、その職場で仕事を続ける確率が高くなり、特に分割して休業を取得できる場合、その傾向が強まります。しかし、自宅介護が3年を超えると、休業制度の有無にかかわらず、就業を続ける割合に大きな違いは見られなくなります。

自宅介護期間が3年以内であれば、短時間勤務や勤務時間の柔軟な調整、所定外労働の免除などの制度がある職場では、働き続けやすいことがわかりました。一方で、介護期間が3年を超えた場合は、日々の業務量やスケジュールに柔軟性がある場合に、職場での継続就業率が高くなります。

この調査からは、2016年3月に施行された改正育児・介護休業法が介護離職を抑制する効果があることが示されています。この法律は、介護休業の分割取得を可能にし、勤務時間短縮の措置期間を3年に延長し、所定外労働の免除を新たに設けました。

しかし、自宅での介護期間が3年を超える場合には、さらなる対策が必要であることも明らかになりました。この調査結果は、労働政策審議会や厚生労働省において、今後の仕事と介護の両立支援策の検討資料として有用です。

このような詳細な調査とその結果からの洞察は、介護と仕事の両立に関する社会的課題への理解を深め、将来的な政策策定に向けた重要な一歩となります。

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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