2024年11月26日
労務・人事ニュース
令和6年6月分結果概要 全国の労働市場動向:総実労働時間140.1時間と給与総額49万8887円
毎月勤労統計調査地方調査 令和6年6月分結果概要 事業所規模5人以上 調査産業計(厚労省)
令和6年6月に発表された統計データによれば、国内の労働市場では労働者の総数や労働時間、給与水準において地域間で顕著な差が見られました。全国の事業所規模5人以上を対象に調査されたこのデータは、雇用政策や労働環境改善のための重要な指標となります。
まず、全国の常用労働者数は5,098.17万人に達し、総実労働時間は月平均140.1時間であることが明らかになりました。そのうち所定内労働時間は130.1時間、所定外労働時間は10時間となり、働き方改革が進む中で、残業時間の抑制がある程度進展していることが見受けられます。しかし、地域ごとの差異を見ていくと、例えば北海道では総実労働時間が141.2時間、青森県では148.6時間と、全国平均を上回る状況が続いています。一方で、宮城県の総実労働時間は143.4時間と、比較的平均に近い数値を示しています。
給与面では、全国の現金給与総額が498,887円となり、そのうち定期的に支給される給与は283,880円、所定内給与が264,483円、特別給与は215,007円となっています。特別給与にはボーナスが含まれており、この数値は地域ごとの経済活動の活発さを反映しています。例えば、北海道の現金給与総額は424,535円と全国平均を下回るものの、青森県ではさらに低く379,488円という結果が示されました。一方、東北地方でも宮城県は490,582円と全国平均に近い水準であり、地域ごとの格差が明確に表れています。
出勤日数についても、全国平均は18.1日ですが、北海道では18.7日、青森県では19.6日と高めの数値を記録しています。これにより、労働時間や出勤日数が給与に与える影響も考慮する必要があることが示されています。
これらの統計から、採用担当者が注目すべきポイントとして、地域別の労働環境の違いが挙げられます。地方では長時間労働や出勤日数が多い傾向が見られる一方で、給与水準が全国平均を下回るケースが多く、労働者の満足度や離職率に影響を与える可能性があります。企業が地域に応じた採用戦略や労働環境の整備を行うことで、優秀な人材の確保と定着が期待されます。
さらに、労働市場の多様化が進む中で、柔軟な働き方の導入や給与体系の見直しを進めることが求められています。例えば、全国平均と比較して労働時間が長い地域では、在宅勤務の導入や勤務時間の短縮が有効な施策となるでしょう。また、給与面での格差を埋めるために、成果報酬型の給与体系や福利厚生の充実を図ることが重要です。
この統計データは、企業が地域ごとの特徴を把握し、適切な雇用政策を策定するための有力な材料です。特に、地域における競争力を高めるためには、労働条件の改善と給与水準の見直しが不可欠です。企業がこれらの課題に積極的に取り組むことで、地方創生や労働市場全体の活性化が期待されます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ