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2024年10月1日

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令和6年上半期、サイバー攻撃の被害総額24億円!警察の取り組みとその成果

令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(警察庁)

令和6年の上半期におけるサイバー空間の脅威情勢に関する資料から、サイバー攻撃の現状と警察の取り組みについて詳細を解説します。

まず、サイバー攻撃の脅威が年々深刻化していることが報告されています。世界各地で、重要なインフラを停止させることを目的としたサイバー攻撃が多発しており、日本国内でも政府機関や民間企業に対するDDoS攻撃が発生しました。特にランサムウェアの脅威は依然として高く、被害件数は令和6年の上半期で114件に達しました。ランサムウェアの手口は、データを暗号化して復号のための対価を要求するものですが、近年ではデータを窃取して公開すると脅迫する「二重恐喝」のケースも増えています。流出したデータは、ダークウェブのリークサイトに掲載されることが確認されており、このような攻撃は世界中で大きな被害をもたらしています。

また、生成AI(人工知能)を悪用したサイバー攻撃も新たな脅威として浮上しています。AIを用いて不正プログラムやフィッシングメールが作成される事案が報告され、専門知識を持たない者でも簡単にサイバー攻撃を行うことが可能になる懸念が指摘されています。こうした事案に対して、日本の警察は厳重な取り締まりを強化しています。例えば、令和6年5月には、生成AIを利用して破壊的な不正プログラムを作成した容疑で25歳の男が逮捕されました。

サイバー攻撃の前兆となる脆弱性探索行為(ゼロデイ攻撃)の増加も深刻です。令和6年上半期には、警察が設置したセンサーによって1日あたり約9,824件の不審なアクセスが検知され、その大部分が海外からのものでした。これに対して、警察は高度な技術力を持つサイバー特別捜査部を設置し、国内外の捜査機関と連携してサイバー犯罪に対応しています。国際共同捜査にも積極的に参加し、ランサムウェアグループ「LockBit」のメンバー逮捕や被害回復を支援するツールの開発など、成果を挙げています。

また、インターネットバンキングを悪用した不正送金事件も増加しています。令和6年上半期には、不正送金被害額が24億4,000万円に達しました。特にSNSを通じた投資詐欺やロマンス詐欺などが横行しており、多くの被害が確認されています。このような詐欺事件では、犯行グループがSNSで実行犯を募集し、高額な報酬を示唆して犯罪に関与させる手口が一般化しています。これに対して、警察は捜査体制を強化し、SNS上での監視や取り締まりを行っています。

さらに、違法・有害情報の氾濫もサイバー空間における脅威です。インターネット上には、児童ポルノや規制薬物の広告といった違法情報が存在し、それらが犯罪を誘発する可能性があります。最近では、SNS上で犯罪実行者を募集する情報が氾濫し、強盗や詐欺事件に実際に応募した者が関与する事例も発生しています。例えば、令和6年1月に発生した能登半島地震では、SNS上で虚偽の救助要請が拡散され、警察の捜索活動が妨害される事態が起きました。このような偽情報による妨害行為に対しても、警察は厳重な取り締まりを実施しています。

警察は、違法・有害情報を早期に発見し削除するために、インターネット・ホットラインセンター(IHC)を通じて情報の収集と削除依頼を行っています。また、サイバーパトロールセンター(CPC)ではAIを活用した違法情報の検出を強化しており、令和6年上半期には約23万件の通報を分析しました。このうち違法情報は約3万4,000件に上り、これらの情報を基に速やかな削除対応が行われています。

警察は今後も、サイバー空間の匿名性を利用した犯罪に対処するため、国内外の捜査機関と連携しながら、捜査と防犯対策を強化していく方針です。特に、暗号資産の悪用やダークウェブでの違法取引に対する追跡調査を進め、サイバー犯罪者の摘発を目指しています。また、国内の重要インフラを標的とするサイバー攻撃に備えて、官民連携による対策訓練を頻繁に実施し、社会全体の防御力を高める努力を続けています。

⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ

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