2024年9月3日
労務・人事ニュース
令和7年卒業予定者の県内就職希望者が10%減少、県外就職希望者は26.5%増加
「令和7年3月新規学校等卒業予定者の求職動向調査結果」について(島根労働局)
令和7年3月に卒業を予定している高等学校等の生徒の求職動向に関する調査結果が、島根労働局より発表されました。この調査は、毎年5月15日時点でのデータを基に、就職を希望する生徒たちがどのような職種に興味を持ち、どの地域での就職を目指しているかを明らかにするものです。調査結果は、学校やハローワークが生徒の職業選択を支援するための重要な資料として活用されます。
令和7年3月に卒業予定の生徒数は5,857人で、前年度より106人、約1.8%増加しました。そのうち就職を希望する生徒は1,232人で、こちらも前年度から19人、約1.6%の増加が見られました。就職希望者の割合は全体の21.0%となり、前年から0.1ポイントの減少となっています。特に、学校やハローワークの紹介を通じて就職を希望する生徒数は992人で、前年度より57人、約5.4%減少していることが注目されます。
地域別に見ると、県内での就職を希望する生徒は825人で、前年より92人、約10.0%減少しました。県内就職希望者の割合は83.2%となり、こちらも前年から4.2ポイント低下しています。一方で、県外での就職を希望する生徒は167人で、前年より35人、約26.5%増加しました。これにより、県外就職希望者の割合は16.8%となり、前年から4.2ポイント上昇しています。
生徒たちの希望職種についても興味深いデータが得られました。最も人気のある職種は生産工程の職業で、263人、全体の26.5%がこれを希望しています。次いでサービス業が124人、12.5%、建設・採掘の職業が107人、10.8%と続きます。これらの職種は昨年と比べても比較的安定して人気を維持していますが、専門的・技術的職業や事務的職業など、減少傾向にある職種も見受けられます。
さらに、地域ごとの特徴を見ると、県東部と県西部での求職動向に若干の違いが見られます。県東部では、県内での就職を希望する割合が非常に高く、94.8%が県内就職を希望していますが、西部ではその割合が60.8%と低く、県外就職を希望する生徒の割合が39.2%と東部よりも高くなっています。東部と西部の間での職種希望にも若干の違いがあり、特に建設・採掘の職業については西部での希望者が増加傾向にあることが分かります。
このような調査結果は、企業や学校が新卒者の採用活動を進める上での貴重な情報源となります。特に、地域や職種ごとの傾向を把握することで、より効果的な求人活動や、生徒への職業選択支援が可能となります。企業にとっても、どの地域でどのような職種が求められているかを理解することで、採用戦略をより精密に策定することができるでしょう。
また、就職希望者の中には、県外での就職を希望する割合が増加していることから、県外企業にとっても島根県内の新卒者をターゲットにした採用活動が有効となる可能性があります。県外企業が積極的に県内の学校やハローワークと連携することで、より多くの生徒に自社をアピールできる機会が増えるでしょう。
総じて、今回の調査結果は、企業や教育機関が新卒者の採用を成功させるための重要な手掛かりを提供しています。今後もこのようなデータを活用し、生徒たちが適切な職業選択を行えるよう、また企業が必要な人材を確保できるよう、双方が協力していくことが求められます。
最後に、具体的な採用活動の日程についても確認が必要です。6月1日以降、ハローワークにおける求人受理が開始され、7月1日以降には各企業からの推薦依頼が学校に送られます。そして、9月5日以降には学校から企業への推薦が開始され、9月16日以降は企業における採用選考が始まります。このように、早期からの求人提出と採用選考の準備が求められます。企業はこのスケジュールを踏まえ、早めの行動を心がけることが、新卒者の確保において重要となります。
⇒ 詳しくは島根労働局のWEBサイトへ