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2024年6月3日

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価格転嫁実態調査、全国2万7,443社中自動車産業1,500社の動向

「自動車業界」サプライチェーン動向調査 自動車「下請け」の1割、価格転嫁「全くできず」~ サプライチェーンは全国6万社、取引総額は42兆円規模 ~(帝国データバンク)

自動車業界における価格転嫁の取り組みが注目されています。今年3月、日産自動車が下請法違反として公正取引委員会から勧告を受けたことで、日本自動車工業会(自工会)は5月23日の会見で取引の適正化を目指す環境作りを進めることを発表しました。日本の基幹産業である自動車産業において、持続的な賃上げに繋がる価格転嫁の動きがどのように進展するか、関心が寄せられています。

帝国データバンクの調査によると、国内自動車メーカー8社に部品やサービスを提供する周辺産業、いわゆる自動車産業のサプライチェーン企業は全国に6万社あり、その取引総額は42兆円に上るとされています。この調査は、帝国データバンクが特許を取得した「商流圏~売上高依存度推計データ」に基づいて行われました。商流圏データは、個別企業間の全取引シェアを推計するモデルを使用しており、頂点企業に対する売上高依存度を算出しています。このデータにより、直接取引先だけでなく、間接取引先における依存度も把握できる点が特徴です。

また、帝国データバンクが2024年2月に実施した「価格転嫁に関する実態調査」では、全国の2万7,443社から有効回答を得た1万1,267社のうち、自動車産業に属する企業約1,500社の価格転嫁の状況を分析しました。この調査によると、自動車産業のサプライチェーン企業の約1割が価格転嫁を「全くできていない」ことが明らかになりました。また、価格転嫁を「少しだけできた」という企業は2割未満で最多となっています。これらの結果から、取引価格の適正化が依然として課題であることが浮き彫りになっています。

自動車業界における下請けいじめの是正を目指した取り組みが進む中で、価格転嫁の実現がいかに重要かが強調されています。今後、取引の適正化に向けた具体的な措置が講じられることが期待されています。自工会は、各社が持続的な賃上げを実現するためにも、適正な取引環境の構築を進める必要性を強調しています。このような取り組みが進むことで、自動車産業全体の健全な発展が期待されるでしょう。

このような背景を踏まえ、価格転嫁の適正化を推進するための具体的な対策やガイドラインの策定が求められています。また、企業間の公平な取引を確保するための監視体制の強化や、下請け企業の声を反映させる仕組みづくりも重要です。自動車業界における価格転嫁の適正化は、業界全体の健全な発展と、持続可能な賃上げを実現するための鍵となるでしょう。

⇒ 詳しくは帝国データバンクのWEBサイトへ