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2024年3月28日

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厚生労働省が追及、雇用調整助成金の不正受給問題 総額532億円の経済的損失

2024年2月の「雇用調整助成金」不正受給76件 公表累計は1,040件、不正受給額は314億円に(東京商工リサーチ)

2024年2月には、日本国内で76件の雇用調整助成金(以下、雇調金)の不正受給が明らかになり、調査開始以来の総件数は1,040件に上りました。この問題は、経済的な損失も大きく、不正による総受給額は314億円以上に及んでいます。

調査は2020年4月に開始され、この間、不正受給が次第に明るみに出てきました。特に最近2ヶ月間での増加が著しく、2024年2月時点での不正受給は歴史的に高い数値を記録しています。これは、2023年10月に最も多かった97件に次ぐ記録です。

各都道府県労働局が公表した1,040件の不正受給企業を、東京商工リサーチ(TSR)が分析した結果、特にサービス業界での不正が多く、347社が該当しました。業歴で見ると、10年未満の企業が不正受給で多く見られ、新型コロナウイルスの影響を受けて設立された企業も少なくありません。

雇調金の不正受給は、手続きの簡素化による影響も一因です。この制度の特例措置は、迅速な支給を目的としていましたが、その結果、不正受給が発生しやすくなったと考えられます。2023年12月末の時点で、不正受給は2,666件に及び、不正による金額も532億円を超えています。

地域別では、関東地方が最も多くの不正受給を報告しており、その数は395件に達しています。近畿や中部地方も多くの不正受給が確認されています。

企業規模や業種を問わず、多くの企業がこの助成金を不正に受給していたことが分かります。新型コロナウイルスの影響を受けた業界では、特に対面サービスが中心の業種で不正受給が顕著でした。

不正受給が発覚した場合、企業は大きな経済的ダメージを受けることになります。不正受給金額が大きい場合は、社名や代表者名が公表され、刑事告訴の対象にもなり得ます。

このような事例は、企業の信頼性を大きく損なうものであり、違反が発覚した企業は財務面やレピュテーションに大きな影響を受けます。また、不正受給が確認された企業には、返還金の支払いに加え、今後5年間の助成金受給が制限されるなどの厳しい措置がとられます。

今後も厚生労働省は不正受給の追及を強化し、助成金制度の透明性と公正性の維持に努める必要があります。不正受給の動向には、今後も注目が集まることでしょう。

⇒ 詳しくは東京商工リサーチのWEBサイトへ