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2025年1月23日

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東北経済の明日を占う インバウンド需要が3割増加した最新動向(令和6年12月)

景気ウォッチャー調査(令和6年12月調査)― 東北(現状)―(内閣府)

東北地方の経済動向に関する最新調査によると、地域経済は全体として一定の回復基調を見せつつも、業種や分野ごとに明確な差異が存在していることが浮き彫りになりました。特に個人消費や小売業の動向には、季節要因や物価高の影響が大きく反映されており、多くの事業者がその対応に追われている状況です。

小売業においては、百貨店やスーパーが消費者の節約志向に直面している一方で、特定の分野では顕著な売上増加が見られます。たとえば、家電量販店では冬季特有の需要が増加し、暖房機器や関連商品が堅調に推移しました。また、観光地では年末年始の宿泊予約が前年を上回る動きを示す施設もあり、特にインバウンド需要が底堅い支えとなっています。これに対し、商店街や地域密着型の小売業者の多くは、物価高騰と生活必需品の価格上昇による影響を強く受け、購買意欲の低下に苦しんでいると報告されています。

飲食業界では、一般的なレストランや高級飲食店の客足が伸び悩む一方で、居酒屋など低単価の選択肢に消費者が集中する傾向が顕著です。これにより、全体的な売上は横ばいか微減となっています。消費者の支出行動が「必要最低限」にシフトする中で、クリスマスや忘年会シーズンでさえ、前年より厳しい状況が続いているとの声も上がっています。

一方で、観光業や宿泊業では、地域特有の強みを活かした施設が成功を収めています。都市型ホテルでは、チャーター便の増便による訪日外国人観光客の利用が増加し、一定の成果を上げました。しかし、冬季の閑散期特有の課題も残されており、来年度以降の需要喚起策が課題として指摘されています。

製造業や輸送業では、エネルギー価格や原材料費の高騰が利益率に影響を与えていますが、一部では新規取引先の開拓や値上げに成功し、売上増を実現した事例も見られます。AI関連の需要が引き続き堅調に推移しており、電子部品製造業では一定の受注量を確保できたことがポジティブな要因として挙げられました。一方で、飲料・食品製造業ではお歳暮商戦が振るわず、送料の上昇が需要に直接的な影響を与えていると報告されています。

また、雇用市場に目を向けると、人材不足が依然として深刻な問題として浮上しています。特に、中途採用市場ではスキルや経験を持つ人材が集中し、企業間の競争が激化しています。その一方で、未経験者の採用には消極的な企業が多く、人材育成の必要性が指摘されています。地域の職業安定所や人材派遣業者によれば、求人数自体は微減傾向にあり、新規求人の創出が課題となっている状況です。

以上のように、東北地方の経済は回復の兆しを見せながらも、分野や地域によっては依然として困難な課題を抱えています。今後の改善に向けては、消費行動を促進する施策やインバウンド需要の拡大、そして持続可能な雇用創出が重要であると考えられます。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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