2025年1月11日
労務・人事ニュース
沖縄県の高年齢者雇用、継続雇用制度が主要措置の67.1%を占める(令和6年6月1日時点)
令和6年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果(沖縄労働局)
令和6年、高年齢者雇用安定法に基づく沖縄県内企業の雇用状況が明らかになりました。この報告は、同県内の従業員21人以上の企業2,972社を対象とし、65歳以上の雇用確保措置や70歳までの就業機会確保措置の実施状況を調査したものです。調査の結果、65歳までの雇用確保措置を講じた企業は全体の99.7%に達し、前年より0.3ポイントの増加が見られました。特に中小企業の実施率は99.7%と安定しており、大企業においては100%という高い水準を維持しています。
65歳までの雇用確保措置の内訳としては、「継続雇用制度の導入」が67.1%を占める一方、「定年の引き上げ」は27.9%、「定年制の廃止」は4.9%でした。これらの結果から、継続雇用制度が主要な選択肢でありながらも、定年引き上げの取り組みが増加していることが分かります。実際、「定年の引き上げ」を実施した企業は、前年より2.2ポイント増加しています。一方で、「継続雇用制度の導入」は2.0ポイント減少しており、企業の間で高年齢者の雇用形態に多様性が生まれていることを示唆しています。
また、70歳までの就業機会確保措置の実施状況も注目されます。報告によれば、この措置を講じた企業は29.2%で、前年より2.5ポイント増加しました。特に大企業での実施率が6.6ポイント増加し、22.3%に達しました。中小企業においても29.5%と引き続き取り組みが進展しています。このうち、「継続雇用制度の導入」が21.7%を占め、前年より2.4ポイント増加しました。一方で、「定年の引き上げ」や「定年制の廃止」の割合はそれぞれ2.5%、4.9%にとどまり、雇用以外の措置はまだ一般的ではないことが示されています。
特に興味深いのは、定年制の状況です。定年を65歳以上に設定している企業は全体の32.8%で、前年より2.1ポイント増加しました。この中で、「定年を65歳」とする企業が24.8%、「66~69歳」とする企業が0.5%、「70歳以上」とする企業が2.5%でした。また、定年制を廃止している企業は4.9%であり、前年より若干減少しています。これらの数字は、高齢化社会における企業の柔軟な雇用対応が進んでいる一方で、完全な定年廃止にはまだ課題が残されていることを示しています。
沖縄労働局は、これらの結果を踏まえ、今後も生涯現役社会の実現を目指して指導や助言を行う方針を明らかにしました。特に、まだこれらの措置を実施していない企業に対しては、必要なサポートを提供し、高齢者が安心して働ける環境づくりを推進する予定です。
⇒ 詳しくは沖縄労働局のWEBサイトへ