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2025年2月17日

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船舶によるバイオ燃料輸送拡大へ!IMOが新たなガイダンスを合意

船舶によるバイオ燃料輸送拡大のためのガイダンスが合意されました~国際海事機関 第12回汚染防止・対応小委員会の開催結果~(国交省)

国際海事機関(IMO)の第12回汚染防止・対応小委員会(PPR 12)が、令和7年1月27日から31日にかけて開催され、海洋環境保護に関する重要な議題が審議された。この会合では、バイオ燃料の輸送拡大を目的としたガイダンスや、船体の水中洗浄に関する新たな基準が合意されたほか、船舶から排出される海洋プラスチックごみ対策に関する新たな行動計画案が策定された。

バイオ燃料の活用は、船舶による温室効果ガス(GHG)排出削減の観点から注目されている。近年、バイオ燃料の混合比率を高めた燃料を活用する動きが強まっているが、輸送や供給のインフラが整備されていないことが課題とされてきた。今回の会合では、従来の重油燃料を補給するバンカリング船を活用し、より高い混合比率のバイオ燃料を輸送できるようにするためのガイダンスが合意された。このガイダンスは、令和7年4月に開催予定の第83回海洋環境保護委員会(MEPC 83)で正式に承認される見込みだ。これにより、バイオ燃料の普及が加速し、船舶業界におけるGHG排出削減が一層進むことが期待される。

また、船体の水中洗浄に関する新たな基準も策定された。船舶の船体には、航行中にさまざまな水生生物が付着し、それらが別の海域に移動することで生態系に影響を与えることが懸念されている。今回の会合では、こうした問題に対処するため、水中洗浄の実施方法や、使用する装置の性能基準を明確に定めた「船体の水中洗浄に関するガイダンス」が合意された。この基準も、MEPC 83で承認される予定で、今後の実施により海洋生態系の保護が進むと期待される。

さらに、船舶から排出される海洋プラスチックごみの削減に向けた新たな取り組みも話し合われた。2018年に策定された「船舶からの海洋プラスチックごみ削減に向けた行動計画」の進捗が評価され、その一環として、船内のプラスチック廃棄物管理の対象船舶を拡大することが検討された。加えて、プラスチック製品の原料となる粒状のプラスチックペレットの海上輸送に伴う環境リスクを軽減するため、新たな義務的措置の検討が進められた。これらの施策は、今後5年間の行動計画案として整理され、2030年までの環境負荷軽減のための指針となる。

これらの合意は、国際的な海洋環境保護の取り組みを強化し、持続可能な船舶運航を推進するための重要な一歩となる。特に、バイオ燃料の輸送拡大に関する新たなガイダンスの策定は、船舶業界における脱炭素化を進める上で大きな前進となるだろう。今後、MEPC 83での承認を経て、これらの取り組みが具体的にどのように実施されるかが注目される。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ