2024年4月14日
労務・人事ニュース
2023年度版 日本旅行業界の進化と挑戦―インバウンド市場拡大に向けた意識調査
第2回「インバウンド旅行客受入拡大に向けた意識調査」調査結果(JATA)
日本旅行業協会が実施した2024年2月のアンケートによると、インバウンド市場拡大に向けた取り組みが注目されています。
調査は、国内の旅行関連事業者を対象に行われ、回答者の約70%が従業員100人以下の小規模企業であることが明らかになりました。特に旅行会社や運送業者からの回答が多く、地域別では首都圏や阪神地域など大都市圏の事業者からのフィードバックが目立ちました。
この調査では、インバウンド観光の現状と展望に関する貴重なデータが得られました。例えば、インバウンド観光客の取り扱いが10万人未満であると回答した事業者が50%近くを占めており、特に春(桜のシーズン)と秋(紅葉のシーズン)に観光客が集中する傾向があることが示されました。
また、インバウンド市場における主要な懸念として、人手不足や多言語対応のインフラ整備不足が挙げられました。この問題は、観光客受け入れ拡大の意欲がありながら、実際に対応するリソースや能力が不足している事業者にとって大きな課題です。
コロナ禍の影響からの回復が進む中、観光客数は全体的に増加していますが、インバウンド市場の成長速度は国内旅行市場に比べて遅れています。それでも、観光関連事業者は、特にアジア市場、とりわけ台湾や中国からの観光客を重要視しており、今後の市場拡大に向けて期待を寄せています。
さらに、旅行スタイルの多様化も明らかになりました。個人レジャーや団体ビジネスといった従来の旅行形態だけでなく、農泊やMICE(会議、インセンティブ旅行、コンベンション、展示会)など新しい旅行形態への関心も高まっています。これは、より幅広いニーズに応える旅行商品の提供が求められていることを示しています。
今後の観光業界の発展には、これらの市場動向と課題への理解と対応が不可欠です。旅行会社や事業者は、インバウンド市場の拡大に向けて、人材育成、多言語対応、地域連携の強化など、さまざまな取り組みを進める必要があります。これにより、訪日観光客のさらなる増加と、日本の観光業界全体の活性化を図ることができるでしょう。
⇒ 詳しくは一般社団法人 日本旅行業協会のWEBサイトへ