2025年2月16日
労務・人事ニュース
2024年12月の新潟県有効求人倍率は1.50倍!前月比0.02ポイント上昇の背景と企業が取るべき対策とは
一般職業紹介状況(令和6年12月分)(新潟労働局)
新潟県における最新の雇用情勢についての分析によると、有効求人倍率は1.50倍となり、前月より0.02ポイント上昇した。この指標は、企業が積極的に採用を行っていることを示唆しており、求職者にとっては選択肢が増えている状況だ。しかし、新規求人倍率は2.38倍となり、前月比で0.08ポイント低下している。これは、新規に求人を出す企業のペースがやや鈍化していることを意味する。
正社員の有効求人倍率に目を向けると、1.54倍と前年同月より0.06ポイント上昇しており、4か月連続で前年を上回った。この数値からは、正社員としての雇用の安定性が高まっていることが分かる。しかし、正社員の就職件数は986人と前年同月比で11.3%減少しており、求職者と企業のマッチングに課題がある可能性が指摘される。
県内の有効求人数は51,027人で、前月比1.8%増加し、2か月連続での増加を記録した。一方で、新規求人数は18,064人と前月比0.3%の増加にとどまっており、新規求人の伸びは鈍化している傾向にある。これは、すでに求人を出している企業が引き続き採用を継続しているものの、新規に採用計画を立てる企業の数が増えていないことを示している。
産業別の新規求人数を見ると、学術研究・専門技術サービス業(30.1%増)、教育・学習支援業(8.9%増)などの分野で求人が増加している。一方で、宿泊業・飲食サービス業(20.5%減)、製造業(12.5%減)、運輸業・郵便業(7.0%減)、建設業(3.7%減)、卸売・小売業(3.5%減)、サービス業(2.9%減)といった分野では求人が減少している。特に宿泊業・飲食サービス業の減少幅が大きく、観光業の回復が遅れている可能性が考えられる。
求職者の動向についても注目される。有効求職者数は34,110人で、前月比0.8%増加し、2か月連続の増加となった。また、新規求職申込件数は7,601人で、前月比4.0%の増加を記録し、3か月連続で増加している。これは、求職活動を行う人が増えていることを意味し、企業にとってはより多くの人材の中から適切な人材を選べる環境が整いつつあると言える。
新規求職申込件数を詳しく見ると、在職者は1,495人で前年同月比7.4%減少、離職者は1,878人で前年同月比5.1%減少している。これは、求職市場において転職を考える人の割合が減少していることを示しており、現在の雇用環境が一定の安定を見せているとも考えられる。
正社員の有効求人数に関しては、28,227人で前年同月比1.7%減少し、8か月連続の減少となっている。一方で、正社員の有効求職者数は18,280人で前年同月比5.6%減少しており、5か月連続の減少が続いている。これは、企業側が求める人材と求職者側の希望がマッチしていない可能性を示している。
全国の有効求人倍率は1.25倍で、前月と同じ数値を記録した。新潟県の有効求人倍率1.50倍と比較すると、新潟県のほうが全国平均よりも雇用市場が活発であることが分かる。しかし、今後の経済状況や物価の動向によって、雇用情勢に影響が及ぶ可能性があるため、企業は引き続き市場の変化に注意を払う必要がある。
企業の採用担当者にとって、このデータは重要な指標となる。新潟県では人材の流動性が高まっており、特定の産業では人手不足が深刻化している。特に、技術職や教育関連の分野では採用のチャンスが増えており、逆にサービス業や製造業では採用の難易度が上がっていると考えられる。
また、求職者の動向として、在職者の転職活動が減少していることが注目される。これは、現在の職場に留まる選択をする人が増えていることを意味し、企業が新たな人材を確保するためには、給与や福利厚生の改善、キャリアアップの機会の提供など、魅力的な条件を提示する必要がある。
今後の採用戦略としては、積極的な求人活動を行うとともに、企業のブランド価値を高める施策を講じることが求められる。また、デジタル化の進展に伴い、オンライン採用活動の強化も重要なポイントとなる。特に、ハローワークインターネットサービスの機能拡充によって、オンラインでの求職登録や求人応募が増えていることから、企業側もオンラインでの採用活動を充実させることが求められる。
⇒ 詳しくは新潟労働局のWEBサイトへ