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2024年6月11日

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2024年3月期決算:コロナ禍の影響減少でGC注記・重要事象記載企業が減少

「GC注記」、「重要事象」記載の上場企業は75社 脱コロナ禍が鮮明となるも、不振企業の定着化続く(TSR)

2024年3月期の決算発表で、「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記、以下GC注記)」を記載した上場企業は23社、重要事象を記載した企業は52社で、合計75社に上りました。これは2022年3月期の94社から19社減少しています。コロナ禍の影響が薄れ、経済活動の再開とインバウンド需要の回復により、特に消費やサービス業を中心に業績が改善したことが要因です。

一方で、原燃料や人件費の高騰が原因で業績が悪化し、初めて重要事象を記載する企業も増加しました。特に中堅メーカーでは、販売価格へのコスト転嫁が進まず、赤字や営業キャッシュ・フローのマイナスが続く企業が目立っています。

調査対象は、全証券取引所に上場する3月期決算企業で、2024年5月30日までに決算短信を発表した企業です。GC注記と重要事象を記載した企業数は、2020年からのコロナ禍のピーク時と比べると2割減少しています。GC注記を記載した企業は23社で、前年同期から1社減少しています。そのうち、中間決算ではGC注記を記載していなかったが、3月期本決算で記載した企業が5社ありました。これらは以前は重要事象の記載にとどまっていましたが、経営状況の悪化によりGC注記を記載するに至りました。

具体的な企業例として、自動車内装品製造の河西工業株式会社は、海外連結子会社の決算作業の未了を理由に2024年3月期決算発表を延期しています。また、元東証スタンダードの株式会社プロルート丸光は、2023年12月に会社更生法を申請しました。重要事象の記載企業は52社で、前年同期から1社減少しました。

GC注記と重要事象の記載理由を分類すると、「本業不振」が全体の86.6%を占めています。これは、原燃料価格や人件費の上昇によるコスト増加が原因で、売上減や損失計上、営業キャッシュ・フローのマイナスなどが主な要因です。「資金繰り悪化・調達難」が次に多く、構成比14.6%で、手元資金の流動性に不安を抱える企業が多いです。また、「財務制限条項に抵触」している企業が12.0%となっています。

新型コロナの影響を要因の一つとした企業は5社で、前年同期の16社から大幅に減少しました。これは、5類感染症への移行に伴い、コロナ禍の影響が薄れたことを示しています。

業種別では、製造業が最多で、42.6%を占めました。次いで小売業とサービス業が続き、これらの業種が全体の76.0%を占めています。上場区分別では、東証スタンダードが最多で、62.6%を占めました。中堅クラスの企業が多く、経営基盤が脆弱な新興企業や業歴が浅い企業が多いことが背景にあります。

GC注記と重要事象の記載企業は、中間決算に引き続き減少傾向にあり、80社を下回りました。2024年3月期決算では、経済環境の改善によりコロナ禍で業績が悪化した企業が回復し、特に輸出産業では好決算が続きました。しかし、コロナ禍前の50社台に比べると依然として多く、原燃料や人件費のコストアップが問題となっています。今後も業績の二極化が進む中で、GC注記や重要事象の記載は、企業の経営状況を示す重要な指標となります。

⇒ 詳しくは東京商工リサーチのWEBサイトへ