2024年9月9日
労務・人事ニュース
2024年6月、建設業界での元請受注高が7兆158億円を記録、前年比5.3%増で顕著な成長を示す
国土交通月例経済(令和6年8月号)
令和6年8月の「国土交通月例経済」報告書には、建設分野と交通分野の経済動向に関する最新のデータが詳細にまとめられています。まず、建設分野では2024年6月の元請受注高が7兆158億円と前年同月比で5.3%増加しました。特に民間からの受注高が4兆8,578億円と7.6%増加し、下請受注高も3兆8,354億円と25.3%の大幅な増加を記録しています。この成長は主に、機械装置工事や建築工事における需要の増加が要因です。
住宅着工に関しては、2024年6月における新設住宅着工戸数が66,285戸で前年同月比6.7%減少しました。特に分譲住宅の着工が8.6%減少し、全体的な住宅着工の減少傾向が見られました。地域別に見ると、東京圏では0.4%の微増が見られたものの、名古屋圏や大阪圏ではそれぞれ10.9%、0.6%の減少が確認されています。
リフォームやリニューアルの分野では、2023年度第4四半期の建築物リフォーム・リニューアル工事の受注高が3兆1,155億円となり、前年同期比で6.1%増加しました。特に非住宅建築物において9.0%の増加が見られ、商業施設やオフィスビルのリニューアル需要が高まっていることが示されています。
交通分野に目を向けると、2024年5月のバスの輸送人員は3億2,816万人で前年同月比1.4%増加しました。タクシーの輸送人員も9,098万人と10.9%増加し、公共交通機関全体の利用が回復基調にあることがわかります。また、JRや民鉄の輸送人員も増加傾向にあり、特に定期外の輸送が大幅に伸びています。これに対して、航空分野では国内線の輸送人員が795万人と前年同月比で1.6%減少しましたが、国際線では124万人と12.5%増加しており、国際的な観光需要が回復しつつあることが伺えます。
貨物輸送に関しては、自動車による輸送量が1億9,929万トンで前年同月比4.0%増加し、そのうち普通自動車による輸送が主に寄与しています。鉄道による輸送量も292万トンで前年同月比0.7%増加し、特にコンテナ輸送が伸びています。海運分野では、内航海運と外航海運の双方で輸送量が増加し、特に外貿コンテナの輸送量が前年同月比で輸出が2.7%、輸入が3.4%増加しました。
観光分野では、2024年7月の訪日外客数が329万人に達し、前年同月比で41.9%増加しました。特に中国からの訪日客が78万人と前年同月比で147.8%増加し、大幅な回復が見られます。一方、出国日本人数は105万人で前年同月比17.6%増加しましたが、2019年と比較すると36.8%の減少にとどまっています。また、2024年6月の延べ宿泊者数は5,039万人泊と前年同月比で6.3%増加し、そのうち外国人延べ宿泊者数が1,319万人泊で37.8%増加しました。
さらに、2024年4月から6月期の日本人国内旅行消費額は6兆4,518億円で前年同期比14.9%増加しました。このうち宿泊旅行が5兆1,137億円と大きな割合を占め、国内観光需要の堅調な回復が示されています。
こうしたデータから、建設や交通、観光といった幅広い分野での経済動向が浮き彫りにされ、今後の市場動向や政策立案において重要な指針となることが伺えます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ