2025年2月6日
労務・人事ニュース
「かづの牛」など6産品がGI登録、地域特産品のブランド価値向上へ
かづの牛をはじめとする農畜産物・加工品6産品を、地理的表示(GI)として登録(農水省)
農林水産省は令和7年1月30日、地理的表示(GI)保護制度に基づき、新たに6つの農畜産物・加工品を登録したことを発表した。今回の登録によって、日本国内のGI登録産品数は154に達し、地域特有の農林水産物の保護とブランド化がさらに進むこととなる。
地理的表示(GI)保護制度は、その土地ならではの自然環境や伝統的な生産方法を活かし、特有の品質や評価を得ている農林水産物や食品の名称を知的財産として保護する制度である。この制度を通じて、特定の地域で生産される産品の品質が保証され、他地域での模倣や不正使用を防ぐことができる。また、GI登録されることで消費者にとっては安全性や信頼性の高い産品を選びやすくなり、生産者にとっては地域ブランドの確立や付加価値の向上が期待される。
今回、新たに登録された産品の中には、秋田県の「かづの牛」が含まれる。これは鹿角地域で育てられる黒毛和種の牛で、豊かな自然環境と伝統的な肥育技術によって生み出された高品質な肉質が特徴である。また、熊本県の「くまもと踊る丹頂」は、独自の栽培技術によって育成された食用菌類で、優れた風味と食感が評価されている。さらに、愛知県の「豊橋花穂」は、色鮮やかで形状が整った花穂類であり、独特の栽培方法と品質管理によって高い評価を得ている。
岩手県では「川井赤しそ」が登録され、その鮮やかな色味や香りの強さが特徴とされる。大阪府の「泉州水なす」は、瑞々しくやわらかい食感を持ち、独特の風味が多くの消費者に親しまれている。島根県の「益田アムスメロン」は、甘みが強く香り高いメロンで、長年にわたり地域で親しまれてきた。このように、それぞれの産品が地域特有の条件のもとで育まれ、高い品質とブランド価値を備えている。
GI登録された産品は、正式に認められた地域ブランドとして「GIマーク」を使用することができる。このマークは、消費者に対してその産品が地理的表示制度に基づくものであり、一定の品質や生産基準を満たしていることを示す証となる。これにより、特定地域の農畜産物が広く認知されるだけでなく、産地偽装や模倣品の防止にもつながる。
日本国内でGI登録された産品が150を超えたことは、地域ごとの特産品の価値を守るとともに、農業や食品産業の発展にも大きな影響を与える。登録された産品が国内外での市場競争力を高めることで、生産者の収益向上にも貢献する可能性がある。特に海外市場では、GI産品の認知度が高まることで、日本の農産物がより高く評価されることが期待される。
農林水産省は、今後も地域ごとの特色ある農畜産物や加工品のGI登録を進めるとともに、国内外での認知度向上に努める方針である。地理的表示制度を活用することで、日本の農林水産業の持続的な発展と、地域経済の活性化につながることが期待される。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ