2025年1月31日
労務・人事ニュース
「かわまち大賞」受賞地決定!全国286か所から選ばれた3つの地域活性化モデルとは
令和6年度かわまち大賞を決定しました。 ~国土交通大臣表彰式を開催します~(国交省)
国土交通省は、河川空間とまち空間が融合した良好な水辺環境の形成を目的とした「かわまちづくり」において、特に優れた取り組みを表彰する「かわまち大賞」の受賞地を決定した。本年度は全国286か所の登録地の中から、北海道平取町、東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘地区、静岡県静岡市の牛妻地区の3か所が選ばれた。この表彰制度は平成30年度に創設され、これまでに12か所が受賞しており、地域活性化の成功例として全国的に注目されている。
かわまちづくりは、河川を単なる水の流れとしてではなく、地域の財産として活用する取り組みだ。各地域が持つ自然や歴史、文化を生かしながら、住民や民間事業者、自治体が連携して水辺空間を活用することで、賑わいの創出や観光振興、地域経済の発展を目指す。今回受賞した3か所も、それぞれが独自の特徴を持ち、地域のニーズに即した創意工夫が高く評価された。
北海道平取町の取り組みは、アイヌ文化の継承と地域振興を兼ね備えたものだ。平取町アイヌ総合政策推進協議会が主導し、伝統的な生活様式や工芸品を活用した観光促進を行っている。町内を流れる沙流川の豊かな自然と文化的背景を生かし、観光客の増加につなげている。また、地元住民が主体的に関わることで、持続可能な地域づくりが進められている点も評価ポイントとなった。
東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘地区では、都市部における水辺空間の有効活用がテーマとなった。多摩川沿いの親水広場や遊歩道の整備を進めることで、地域住民の憩いの場を創出し、健康促進や地域コミュニティの活性化につなげた。特に、キッチンカーやイベントスペースの設置が賑わいを生み、年間12万人以上が訪れる人気スポットとなっている。都市計画と水辺活用を融合させた先進的な事例として、高い評価を受けた。
静岡県静岡市の牛妻地区では、地域住民と行政が一体となり、河川敷を活用したコミュニティ形成に取り組んでいる。牛妻地区水辺利用調整協議会が主導し、バーベキュー場や親水護岸を整備することで、地域内外の人々が訪れやすい環境を整えた。また、地域の伝統文化や農産物を活用したイベントも開催され、地域経済への波及効果も期待されている。河川空間を活用した地域づくりの好例として、今回の受賞に至った。
「かわまち大賞」の目的は、こうした優れた取り組みを広く全国に周知し、他地域での参考とすることにある。河川空間の活用は、自治体にとって重要な地域振興策の一つであり、観光誘致や商業振興にも大きく寄与する。特に、民間事業者の参入を促すことで、持続可能な地域活性化が可能となる点が注目されている。
受賞地の選定にあたっては、有識者4名による審査委員会が開催され、先進性、継続性、創意工夫、連携性、効果の5つの観点から評価が行われた。審査委員会は法政大学の陣内秀信名誉教授を委員長とし、國學院大學、多摩大学、筑波大学の専門家が参加した。こうした専門的な視点からの評価を経ることで、選ばれた事例は全国的なモデルケースとしての役割を果たすことが期待される。
表彰式は令和7年2月6日(木)に国土交通省内で開催され、受賞団体が国土交通大臣から直接表彰を受ける予定だ。また、受賞地の取り組みは動画でも紹介され、全国の自治体や民間企業が学べる機会が提供される。
国土交通省では、今後も「かわまちづくり支援制度」を通じて、全国の水辺空間の利活用を促進していく方針だ。現在、全国286か所がこの制度に登録されており、新たな取り組みが続々と進められている。水辺空間の活用が地域活性化の鍵となることは間違いなく、今後も各地域の特色を生かした事例が生まれることが期待される。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ