2024年10月14日
労務・人事ニュース
「LNG産消会議2024」開催、268名が対面参加で国際協力強化
LNG産消会議2024を開催しました(経産省)
2024年10月6日、経済産業省と国際エネルギー機関(IEA)は共同で「LNG産消会議2024」を広島で開催しました。この会議は、LNGの生産国と消費国が集まり、エネルギー分野における重要な課題について官民が一体となって議論する場として位置づけられています。特に、LNGの安定供給やガスセキュリティ、そしてネットゼロに向けた脱炭素化の役割について、幅広い議論が行われました。今回の会議は第13回目を迎え、官民対話に重点を置き、268名の参加者が対面で議論に参加しました。また、LNG輸入者国際グループ(GIIGNL)との連携も図られました。
会議に先立ち、経済産業省とIEAが共同で発表したディスカッションペーパーに基づき、LNGの役割や将来像、さらにはエネルギーセキュリティと持続可能なエネルギー供給の両立に向けた課題について議論が展開されました。会議の冒頭で、資源エネルギー庁の村瀬長官は、エネルギートランジションにおけるLNGの重要性を強調し、安定したエネルギー供給と価格のバランスを取る必要性について触れました。今回のテーマは「Future of LNG, security, affordability, and decarbonization」とされ、LNGが果たす役割に対する再認識が求められました。
会議では、2023年に発表された「Coalition for LNG Emission Abatement toward Net-zero(CLEAN)」イニシアティブがさらに拡大されることが発表され、22社の新たなLNG輸入事業者が参加しました。このイニシアティブは、LNGのバリューチェーン全体におけるメタン排出削減を目的としており、エネルギー企業や国際機関からも広範な支援が提供されています。また、欧州委員会との間でLNG輸入国が協力してメタン排出削減に取り組むことに合意され、具体的な協力策が進められています。さらに、GIIGNLとの協力により、カーボンニュートラルLNGの認証制度の推進も公表されました。
日本とイタリアの政府間での協力も進展しました。日伊首脳間で6月に合意されたアクションプランを受け、LNGの役割を強化しながらクリーンエネルギー分野での協力を深めることが確認されました。この中で、JOGMECとイタリアのエネルギー企業Eni社はLNG調達支援に関する覚書を締結し、LNGの多角的な調達に向けた協力が強化されました。
官民のパネルディスカッションでは、「ガスセキュリティ強化のための官民の取り組みとガスリザーブメカニズムの役割」、「LNGバリューチェーンの脱炭素化に向けた技術革新とロードマップ策定」、「安定したLNG市場の成長を支えるファイナンスの役割」などについて議論が行われました。このように多岐にわたるテーマが議論され、エネルギー分野における国際的な協力と技術の進展が重要なポイントとして強調されました。
今回の会議の成果は、日本とIEAが共同議長としてまとめ、LNG産消会議2024の公式ウェブサイトを通じて公表されました。この共同議長サマリーには、ネットゼロに向けたLNGの役割やガスセキュリティの強化、脱炭素化に向けた課題への対応策が具体的に示されています。
さらに、韓国の産業通商資源部と経済産業省は、LNGの安定供給に向けた協力方針で合意しました。今後、日韓両国の企業間でLNG調達に関する連携が進められ、この取り組みを通じて両国間のエネルギー分野での協力関係をさらに強化することが期待されています。LNG産消会議2024は、国際的なエネルギー課題に対する協力を促進し、持続可能な未来を目指した重要なステップとなりました。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ