2025年3月13日
労務・人事ニュース
その他のサービス業の平均月間実労働時間は138.2時間!前年比0.8時間減(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)
毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)その他のサービス業
令和6年の毎月勤労統計調査によると、その他のサービス業の平均月間実労働時間は138.2時間で、前年比0.8時間の減少が確認された。この減少は、業界全体での労働時間短縮の取り組みが一定の成果を上げていることを示している。その他のサービス業には、宗教、政治団体、修理業、廃棄物処理業など、多岐にわたる業種が含まれており、業態によって労働環境が大きく異なるため、一概に労働時間の変化を説明することは難しいが、全体的に労働時間の適正化が進んでいることが分かる。
内訳を詳しく見ると、所定内労働時間は127.7時間で、前年比0.5時間の減少となった。この減少は、業務のデジタル化や業務フローの見直しが進んでいることを示している。特に、修理業や廃棄物処理業などの業種では、設備やシステムの導入による業務の効率化が進んでおり、作業時間の短縮につながっている。一方で、宗教団体や政治団体などの業務は、イベントや会合などのスケジュールに左右されやすいため、一定の労働時間が必要となるケースが多い。
一方、所定外労働時間(残業時間)は10.5時間で、前年比4時間の減少が見られた。このデータから、その他のサービス業では残業時間の削減が大幅に進んでいることが分かる。特に、修理業では、予約制の導入や勤務シフトの最適化が進み、計画的な業務運営が可能になったことで、残業時間の大幅な削減につながっている。また、廃棄物処理業でも、業務の自動化が進んだことで、以前よりも短い労働時間での業務遂行が可能となった。ただし、繁忙期や突発的な対応が必要な業務では、依然として残業が発生するケースが見られるため、完全な残業削減にはまだ課題が残っている。
月間出勤日数については、17.8日で前年より0.1日減少している。この減少は、業界全体での働き方改革の影響を受け、週休2日制の導入が広がりつつあることを示している。特に、修理業や廃棄物処理業では、週休2日制の導入やシフト制の最適化が進んでおり、従業員のワークライフバランスの改善が図られている。一方で、宗教団体や政治団体などの業種では、イベントや行事の日程に左右されるため、出勤日数の削減が難しいケースも多い。
企業の採用担当者にとって、このデータが示すポイントは、労働時間の短縮が進む中で、どのように業務の効率化と人材確保を両立させるかという点にある。その他のサービス業は、多岐にわたる業種を含むため、労働環境の改善と業務の効率化をどのように両立させるかが重要な課題となる。そのため、企業は給与体系の見直しや、福利厚生の充実を進めることで、人材確保に努めることが求められる。
また、今後の課題として、労働時間の適正化と業務負担の均等化が求められる。特に、修理業では、依頼の集中による業務負担の偏りが課題となるため、予約制の導入やシフトの適正化が重要となる。一方で、廃棄物処理業では、業務の効率化を進めつつ、従業員の負担を軽減する取り組みが必要となる。
今後の展望として、その他のサービス業は、デジタル技術の発展により、さらなる業務効率化が進むことが予想される。特に、AIを活用した業務管理システムや、オンライン業務の拡大により、従業員の負担軽減が実現される可能性がある。一方で、業務の自動化が進む中でも、対人業務が求められる分野では、従業員のスキル向上や、適切な人材配置が今後の課題となる。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ