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2024年11月26日

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インバウンド需要が3年ぶりに前年比30%増加!観光業界で生まれる雇用チャンス

全国財務局管内経済情勢報告概要(令和6年10月)(財務省)

令和6年10月時点の全国財務局管内の経済情勢報告によると、日本の地域経済は緩やかに回復しつつある状況が示されています。この報告では、個人消費、生産活動、雇用情勢といった主要項目についての分析が行われ、各地域における特有の動向や課題が浮き彫りになっています。特に企業の採用意欲の高まりや、物価上昇による消費行動の変化、輸出関連産業の回復動向など、企業や雇用主にとって重要な情報が多く含まれています。

まず、個人消費については、物価上昇が家計に影響を与えつつも、全体として緩やかに回復していることが報告されています。例えば、スーパーの売上では、節約志向が続く一方で、プライベートブランド商品の売上増加や高付加価値商品の堅調な動きが見られました。また、猛暑や自然災害による特需が一部で需要を押し上げ、防災関連商品やエアコンなどの季節商品の販売が好調でした。インバウンド観光客の増加も百貨店販売に寄与し、特に高額品販売が好調を維持しています。

生産活動に関しては、AI向け半導体や省エネ性能を持つ家電の需要が堅調である一方、中国経済の停滞や欧州の高金利政策の影響が輸出に影を落としています。例えば、自動車分野では、生産と出荷の再開が一部進む一方で、台風などの自然災害による稼働停止が一部地域で影響を与えています。製造業全体では、データセンター向け部品の需要がフル稼働をもたらすなど、分野ごとに動向が分かれる様子が見られます。

雇用情勢では、企業の人手不足感が強まっている一方で、待遇改善や賃上げを通じて従業員の囲い込みに力を入れる企業も増えています。特にDX関連の職種では人材不足が顕著で、中途採用の増加や社内でのリスキリング推進が課題として挙げられています。また、企業の採用活動においては、求人手法の多角化や外国人労働者の活用が進んでいます。

地域ごとの特性も重要な要素です。例えば、北陸では能登半島地震の影響が残るものの、新幹線の敦賀延伸効果が地域経済を下支えしています。四国では、地震や台風による防災関連商品の需要が顕著で、防災意識の高まりが消費行動に反映されています。沖縄ではインバウンド需要が観光業を支え、物価上昇にもかかわらず旅行需要は堅調に推移しているとのことです。

先行きについては、雇用環境や所得の改善、政策効果が地域経済の持ち直しを支える一方で、海外景気の下振れリスクや金融市場の変動に十分注意が必要とされています。特に中国の不動産市場の停滞や欧州の高金利政策は、日本経済全体に波及するリスク要因として挙げられています。

このような経済情勢は、企業の採用活動や事業展開において多くの示唆を与えます。特に人材確保における競争が激化する中で、待遇改善やスキルアップ支援が一層重要になるでしょう。また、地域ごとの特性を活かした事業戦略の構築も求められます。例えば、防災商品やインバウンド関連商品の販売促進、DX化による生産性向上が競争力強化の鍵となります。

企業の意思決定において、こうした経済指標や地域特性を十分に理解し、長期的な視野で取り組むことが不可欠です。特に、物価上昇が消費者心理に与える影響を見極めつつ、需要変動に柔軟に対応する力が求められます。また、海外市場の動向を注視し、リスク分散を図ることも重要です。

⇒ 詳しくは財務省のWEBサイトへ

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