2024年11月22日
労務・人事ニュース
エシカル消費の実践度が36.1%に上昇!若い世代が意識改革を牽引
「令和6年度消費生活意識調査(第3回)」の結果について(消費者庁)
令和6年11月7日に発表された「令和6年度消費生活意識調査(第3回)」の結果に基づき、消費者のエシカル消費に関する意識と行動について詳しく報告します。この調査は、消費者の行動や意識を把握し、社会的に重要な課題を解決するための基礎データを収集する目的で行われました。今回のテーマは特に「エシカル消費」に焦点を当てており、全国の15歳以上の男女5,000人を対象にインターネット調査が実施されました。
調査によると、「エシカル消費」を知っていると回答した人の割合は27.4%で、前年の29.3%から減少しました。認知度は10代と40代で特に高い傾向が見られました。一方、情報源としては「新聞・テレビ・ラジオ」が39.9%と最も多く、10代では「学校での学習」が58.0%と主な情報源となっていました。この結果から、世代ごとに情報源が異なり、それがエシカル消費の認知度に影響を与えていることがわかります。
エシカル消費の実践度については、全体の36.1%が「よく実践している」または「時々実践している」と回答し、前年の27.4%から増加しました。年代別では70歳以上が最も高い実践度を示しましたが、10代も20代や30代と比較して実践度が高い傾向にありました。このことから、若い世代の間でもエシカル消費への意識が高まりつつあると言えます。
エシカル消費を実践する理由についての質問では、「環境や社会に貢献できるものを選びたい」との回答が53.3%で最も多く、続いて「節約につながる」(50.4%)、「環境問題や社会問題を解決したい」(49.2%)が続きました。特に20代や30代では「ストーリー性に共感する」という理由が他の年代よりも高く、個人的な共感や価値観が購入行動に影響していることが伺えます。
一方、エシカル消費を実践していない理由としては、「どれがエシカル消費につながる商品か分からない」が23.0%で最も多く、次いで「経済的余裕がない」(20.1%)が挙げられました。「特に理由はない」との回答も40.7%と高く、エシカル消費に対する関心が低い人が一定数存在することがわかります。また、60代以上では「エシカル消費につながる商品やサービスが分からない」という理由が他の年代よりも顕著でした。
価格の許容度に関する調査では、エシカル消費に関連する商品の割高許容度が最も高かったのは「食料品」で77.0%、最も低かったのは「自動車」で60.5%でした。これらのデータは、日常的に消費する商品では比較的割高でも受け入れられやすい一方、高額商品ではコスト意識が優先される傾向を示しています。
今回の調査結果から、エシカル消費の認知度や実践度は依然として一定の課題があるものの、若い世代を中心に実践が進んでいることが明らかになりました。また、エシカル消費を広めるためには、消費者への具体的な情報提供や商品の魅力を引き出す取り組みが重要であると考えられます。今後も、さまざまな手段を通じてエシカル消費の普及に向けた取り組みを強化することが求められるでしょう。
参考:エシカル消費とは
⇒ 詳しくは消費者庁のWEBサイトへ