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2024年6月24日

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カナダ・アイルランド・EU・韓国の労働時間法制の現状とホワイトカラー労働者への適用

諸外国の労働時間法制とホワイトカラー労働者への適用に関する調査―カナダ、アイルランド、EU指令、韓国―(JILPT)

諸外国における労働時間法制とホワイトカラー労働者への適用について調査が行われ、カナダ、アイルランド、EU、韓国の現状がまとめられました。この研究は、働き方改革の一環として、労働時間法制の適用について議論を深めるために実施されました。

まず、各国の労働時間に関する基本的な法制度について見ていきます。カナダ(オンタリオ州)、アイルランド、EUの指令では、週の労働時間は時間外労働を含めて48時間に制限されています。一方、韓国では52時間が上限です。カナダと韓国では、それぞれ44時間と40時間を超える労働に対して割増賃金を設定しています。また、勤務間インターバルについては、カナダ(オンタリオ州)、アイルランド、EU指令で11時間の休息が原則義務化されていますが、韓国では特定の労働時間制度においてのみ11時間の休息が義務付けられています。

変形労働時間制については、カナダ、アイルランド、EU指令では業務の限定はなく、柔軟に対応できるようになっています。韓国のみが業務を指定しています。また、欧州では、業務の特性や労働協約、緊急状況などに応じて、多様な適用除外を設定しています。

次に、ホワイトカラー労働者への労働時間制度の適用について見ていきます。各国とも、管理監督者に関する労働時間規制の適用除外については共通しており、定義は多様です。韓国では「選択的労働時間制」や「裁量労働時間制」が導入されており、これにより一部のホワイトカラー業務が適用除外とされています。カナダ(ブリティッシュコロンビア州)でも「ハイテク専門職」の除外が認められています。

一方、アイルランドやEU指令では、労働者全般に対して柔軟な規制が行われており、変形労働時間制を実施しています。また、オプトアウトが可能で、最長労働時間の適用がされない代わりに休息は適用される仕組みになっています。アイルランドでは、時間外手当の支払いに関する法的保護があり、労働協約等により保護される場合もあります。

勤務間インターバル制度についても各国で異なります。カナダ(オンタリオ州)では1日11時間の勤務間インターバルが規定されていますが、他の2州では週当たりの休息のみが規定されています。アイルランドやEU指令では、24時間当たり11時間の休息が義務付けられていますが、業務特性や緊急状況により代償休息や適切な保護が提供されることもあります。韓国では、労働者全般に対する規定はないものの、一部の柔軟な労働時間制度においては11時間の休息が義務付けられています。

つながらない権利についても各国で異なる対応が取られています。カナダ(オンタリオ州)では、一定規模以上の使用者に対してつながらない権利の実施に関する方針書の作成が義務付けられています。アイルランドでは実施準則により権利と義務の尊重が奨励されています。EUでは、労使合意を通じた法制化が試みられましたが、プロセスは頓挫しました。それでも、フランス、スペイン、ベルギー、イタリアなど一部の加盟国では、法制化が進められています。

この調査から、各国の労働時間法制やホワイトカラー労働者への適用に関する多様なアプローチが明らかになりました。これらの情報をもとに、働き方改革のさらなる推進と労働環境の改善が期待されます。

⇒ 詳しくは独立行政法人 労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ