2024年5月13日
労務・人事ニュース
グローバルデータ流通を加速する「グローバルCBPRシステム」の最新動向
グローバル越境プライバシールール(CBPR)システムの稼働に向けて文書(ポリシー、ルール及びガイドライン等)を公表(経産省)
経済産業省と個人情報保護委員会は、国際的なデータ流通を円滑に行うための新しい認証制度、グローバル越境プライバシールール(CBPR)システムをサポートする重要な文書群を公開しました。この制度は、個人データの国境を越える移転を安全に管理することを目的としており、参加企業が厳格なプライバシー保護基準を満たしていることを確認します。
グローバルCBPRシステムは、これまでアジア太平洋経済協力(APEC)で取り組まれていたプライバシー保護の枠組みを基に、より多くの国々が参加できるよう拡張されたものです。2022年4月には、APECの限界を超えて、世界的な枠組みであるグローバルCBPRフォーラムが設立され、国際的なデータ保護の基準を一層強化することが宣言されました。
このたび、2024年4月30日にフォーラムは、システム運用を開始するための具体的なガイドラインやルールなどの文書を発表しました。これには、ポリシー、ルール、ガイドライン、認証機関承認申請書、プログラム要件、受入質問票などが含まれています。これらの文書は、企業が認証プロセスを理解し、適切に対応するための基盤を提供します。
また、フォーラムは、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)を含む、認証機関としていくつかの機関を新たに認定しました。これにより、企業はこれらの認証機関に申請を行い、審査を受けることが可能となります。認証プロセスが完了次第、企業は公式にグローバルCBPRシステムに参加できるようになり、2024年6月よりシステムの稼働が開始される予定です。
さらに、CBPRシステムの運用に必要な越境執行協力の枠組みも強化され、APEC外から新たに参加する3機関を含む合計27のプライバシー執行機関が参加することになりました。これにより、国際間でのプライバシー保護とデータの安全な取り扱いが一層促進されることが期待されます。
経済産業省と個人情報保護委員会は、今後も国際的なディスカッションをリードし、グローバルCBPRシステムの更なる普及と参加国・地域の拡大に向けて努力を続けていきます。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ