2025年2月2日
労務・人事ニュース
サイバーポートで港湾管理者の作業時間が37%削減、効率化の秘訣に迫る
港湾調査の電子化により報告者の作業時間が35%削減 ~サイバーポート(調査・統計)の効果測定結果~(国交省)
国土交通省が運用する港湾調査の電子化システム「サイバーポート(調査・統計)」がもたらす成果が明らかになりました。このシステムは、港湾関係者間の業務を電子化し、港湾全体の生産性向上を目指す情報プラットフォームとして、2024年1月より本格的に稼働しています。同年10月に実施されたアンケート調査では、システム利用によって大幅な業務効率化が実現したことが確認されました。
調査結果によれば、港湾管理者の作業時間は平均37%、調査対象となる事業者の作業時間は平均35%削減されました。特に、輸出入・港湾関連情報処理センター(NACCS)のデータ連携機能を利用することで、調査票入力項目の最大90%が自動化され、該当業務の作業時間を平均59%削減する効果が報告されています。この機能により、外貿コンテナ船を対象とした調査では大幅な負担軽減が実現し、効率化の象徴的な成果となっています。
サイバーポートは、港湾物流、港湾管理、港湾インフラの三分野で情報を統合し、相互連携を可能にするシステムです。特に「調査・統計」分野では、従来手作業で行われていた調査票の作成や確認、提出作業を電子化することで、データの正確性と迅速性を向上させるとともに、関係者の負担を大幅に軽減する役割を担っています。また、入力エラーチェック機能の搭載により、ミスの減少や修正作業の削減が実現されました。これらの成果は、港湾政策のデータ活用にも寄与し、精度の高い政策立案を可能にする基盤を整えています。
導入当初はシステムに慣れるまでの時間が必要とされましたが、使用者からは「使い勝手がよく便利」といった肯定的な声が多く寄せられています。特に、過去の報告内容を簡単に複製できる機能や、自動入力による時短効果が高く評価されています。国が提供するシステムを利用することで、独自システムの維持費削減も実現し、経済的なメリットも享受されています。
2025年1月現在、サイバーポートを利用して調査票提出が可能な港は、全国の甲種港湾163港のうち125港に達しており、登録ユーザー数は1500人を超えています。これにより、従来の紙媒体や個別システムによる煩雑な手続きから脱却し、港湾関係者が効率的かつスムーズに業務を遂行できる環境が整備されました。
今後はさらなる機能改善と利用者の拡大が進められ、労力削減だけでなく、データ活用の促進による港湾産業全体の効率化が期待されています。このシステムは、単なる業務効率化ツールにとどまらず、港湾政策の進化を支える重要なインフラとしての役割を果たしています。日本の港湾産業が世界基準の効率性を追求する上で、サイバーポートが果たす役割は今後ますます大きくなるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ