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2024年7月28日

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スタートアップが日本経済に与える影響とは?創出GDP19.39兆円の実態

「スタートアップによる経済波及効果」の調査概要を公表しました(経産省)

2024年7月22日、経済産業省はスタートアップが日本経済に与える影響について調査し、その概要を公表しました。この調査は、スタートアップの経済波及効果を把握し、今後の政策策定に役立てるために行われたものです。調査の結果、スタートアップによる経済活動が日本経済に大きな貢献をしていることが明らかになりました。

政府は2013年の「日本再興戦略」以来、国内でのイノベーションを促進し、付加価値の高い新しい事業や産業を創出するスタートアップの支援を強化してきました。特に2022年に策定された「スタートアップ育成5か年計画」は、その取り組みの一環として重要な位置づけを持っています。この計画のもと、スタートアップがもたらす経済的および社会的インパクトを測定し、政策推進における課題を整理し、他国との比較や継続的な効果測定に活かすことが目的とされています。

調査によると、スタートアップによる創出GDPは10.47兆円に達し、間接波及効果を含めると19.39兆円に上ります。これらの数字は、北海道や福岡県の県内名目総生産とほぼ同等の規模です。また、スタートアップによる雇用創出数は52万人、所得創出は3.17兆円という試算結果が得られました。この調査対象は、1995年以降に設立され、外部出資を受けた約9,000社のスタートアップです。

さらに、スタートアップが日本の経済構造を変える可能性についても注目されています。ここ10年間でスタートアップが買い手となったM&Aの数が増加し、女性経営者の割合も大企業を大きく上回っています。スタートアップは、日本経済における新たな成長エンジンとして期待されています。

特に注目すべきは、スタートアップの中でもベンチャーキャピタル(VC)からの出資を受けた企業の経済波及効果です。調査対象のスタートアップの70%にあたる約6,469社がVCからの出資を受けており、これらの企業による創出GDPのうち72%がVC出資企業によるものです。また、VC支援を受けたスタートアップによる直接効果GDPは13.94兆円、雇用創出は112.9万人に達しています。

産業別に見ると、スタートアップによる創出GDPの78%は情報通信、商業、対事業所サービス、不動産、金融・保険の上位5つの産業から生まれています。情報通信産業が29%と最も大きな割合を占めており、続いて商業が19%、対事業所サービスが16%となっています。

日本と他国のスタートアップによる経済効果を比較すると、日本は累積資金調達総額で他国に劣るものの、経済波及効果には大きな潜在力があることが示されています。例えば、イギリスのスタートアップが創出するGDPは24.7兆円であり、日本の10.47兆円と比較しても相当な規模ですが、日本のスタートアップにはさらに成長の余地があると言えます。

この調査結果をもとに、経済産業省は今後もスタートアップの成長を支援するための政策を推進し、日本経済の活性化を図る考えです。スタートアップがもたらす経済効果を最大限に引き出すためには、引き続き適切な支援と環境整備が求められます。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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