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2025年2月7日

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ゼニタナゴが特定希少種に指定!種の保存法改正で保護強化へ

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行規則の一部を改正する省令及び特定国内種事業に係る届出等に関する省令の一部を改正する省令の公布について(環境省)

2025年1月30日、環境省は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行規則」の一部を改正する省令と、「特定国内種事業に係る届出等に関する省令」の一部を改正する省令を公布した。これにより、国内の絶滅危惧種の保護が一層強化される見通しとなった。施行は2025年2月12日からとなる。

今回の改正は、ゼニタナゴ(Acheilognathus typus)を「特定第一種国内希少野生動植物種」に指定することが決定したことを受けたものだ。政府は2025年1月17日の閣議で、同種を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づく保護対象とすることを正式に決定。その後、関連する省令の改正を進めてきた。これにより、ゼニタナゴの保護がより厳格に行われることになる。

ゼニタナゴは、日本の淡水魚の一種であり、その生息環境の悪化や乱獲により個体数が減少している。このため、特定第一種国内希少野生動植物種への指定により、捕獲や譲渡の規制が強化される。ただし、特定第一種に指定された場合、通常の国内希少野生動植物種とは異なり、一定の条件下で譲渡が可能となる点が特徴だ。

さらに、今回の改正では特定国内種事業に関する届出手続きについても整備された。特定国内種事業とは、特定第一種国内希少野生動植物種の個体の譲渡や引き渡しを伴う事業を指し、これを実施するためには環境大臣および農林水産大臣への届出が必要となる。今回の改正に伴い、届出に関する詳細な手続きが整備され、環境省のウェブサイトでも案内が更新された。

また、本改正にあたっては、パブリックコメント(意見公募)が実施され、多くの意見が寄せられた。政府はこれらの意見を踏まえ、法令の整備を進めてきた。市民や事業者の意見を反映させながら、より実効性のある保護策が講じられることが期待される。

この法改正は、単なる一魚種の保護にとどまらず、日本国内の生物多様性を守るための重要なステップとなる。絶滅の危機に瀕する生物を保護することは、生態系全体の健全性を維持するうえで欠かせない。今後も政府は、環境保全と持続可能な利用のバランスを取りながら、適切な施策を講じることが求められる。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ