2024年9月30日
労務・人事ニュース
デジタルガバナンス・コード3.0策定、企業価値向上を目指すDX経営の新指針
「デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~」を策定しました(経産省)
経済産業省は、2024年9月19日に「デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~」を策定したことを発表しました。これは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を通じて企業価値を向上させるために、経営者が取るべき対応を明確にした指針です。経済産業省は2020年に初めて「デジタルガバナンス・コード」を策定し、企業のDX推進を支援してきましたが、時勢の変化に対応するため、2022年に「デジタルガバナンス・コード2.0」に改訂され、さらに今回の3.0では最新の経営課題に対応した内容にアップデートされています。
今回の改訂は、2024年6月に立ち上げられた「企業価値向上に向けたデジタル・ガバナンス検討会」での議論を基に行われました。特に、経営者がDXに取り組む際の課題や、企業価値向上をどう達成するかという点に焦点を当て、名称や構成の変更を含めた大幅な見直しが行われています。この見直しの一環として、経営におけるデータの活用やデジタル人材の育成・確保、サイバーセキュリティなど、急速に変化する環境への対応が強調されています。
具体的には、今回の「デジタルガバナンス・コード3.0」では、DX経営による企業価値向上を強調するために副題を追加し、経営者向けのメッセージをより伝わりやすくするための変更が行われました。また、デジタルガバナンスの全体像を「DX経営に求められる3つの視点・5つの柱」に整理し、各項目の理解を容易にする工夫もされています。これにより、経営者がDX戦略を策定・実行する際に参考にしやすい内容となっています。
特にデータ活用の重要性が強調されており、企業の成長にとってデータが欠かせない要素であることを強調しています。加えて、DX推進の最大の課題であるデジタル人材の育成・確保についても、経営者や管理職の意識改革を含めた教育の重要性が指摘されています。さらに、サイバーセキュリティリスクの増加に対応するため、第三者監査やサプライチェーン保護に向けた対策の重要性も強調されています。
この「デジタルガバナンス・コード3.0」に基づき、企業は今後、DX認定やDX銘柄の評価基準にも対応する必要があります。DX認定基準については、デジタル技術の進化による競争環境の変化にデータ活用の要素が加えられ、企業はこれを反映した申請書類を準備する必要があります。一方、DX銘柄に関しては、評価基準が見直され、DX調査項目においても改訂された「望ましい方向性」が反映される見込みです。これにより、DXを推進する企業にとって、より明確な基準が提供されることになります。
今後、デジタル技術が企業経営にますます重要な役割を果たす中で、この新しいデジタルガバナンス・コードは、企業が持続可能な成長を遂げるための重要なガイドラインとなるでしょう。経営者は、デジタル技術の進化とともに、その活用戦略を見直し、さらなる企業価値の向上を目指す必要があります。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ