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2024年6月9日

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デジタル化で中小企業が変わる!1,055万人の製造業人材育成に向けた新施策

「令和5年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を閣議決定(厚労省)

令和6年5月31日、政府は「ものづくり基盤技術の振興施策」(以下、ものづくり白書)を閣議決定し、国会に報告しました。この白書は、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同で作成しており、今年で24回目の公表となります。ものづくり白書は、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を年次報告するものであり、今回は特にデジタル化対応の人材育成や能力開発に焦点を当てています。

厚生労働省担当の「第1部第2章」では、ものづくり人材の雇用状況や能力開発の現状、デジタル化に対応した人材の確保・育成について紹介されています。特に、製造業の就業者数は2022年に1,044万人、2023年には1,055万人と増加しており、デジタル化が進む中での人材確保の重要性が強調されています。

能力開発の現状について、製造業では計画的なOJT(On-the-Job Training)やOFF-JT(Off-the-Job Training)を実施する事業所の割合が、新型コロナウイルス感染症の影響で以前の水準には戻っていないことが指摘されています。しかし、自己啓発を行った労働者の割合は正社員が約4割、非正社員が約2割と一定の水準を維持しています。また、約6割以上の事業所が「指導する人材が不足している」と回答しており、人材育成の課題が浮き彫りになっています。

デジタル化に対応した人材育成の取り組みも注目されています。2019年には約5割だったデジタル技術の活用が、2023年には8割を超えており、特に中小企業での取り組みが進んでいます。デジタル技術の活用が進んだ企業では、人材の確保と育成がより積極的に行われており、その結果、営業利益や従業員の賃上げが進んでいることが報告されています。

ものづくり白書では、企業の具体的な取り組み事例も紹介されています。例えば、従業員の能力・スキルを評価し、昇給や賞与に反映させる制度を導入している企業や、技能習得のプロセスを支援するための環境整備を行っている企業が紹介されています。これにより、従業員のモチベーション向上や技術水準の向上が期待されています。

今後も政府は、ものづくり産業におけるデジタル化対応と人材育成の取り組みを強化し、地域の活性化や産業の競争力強化を目指す方針です。ものづくり白書は、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできるため、詳細を確認したい方はぜひご覧ください。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ