2024年11月27日
労務・人事ニュース
トンネル発破作業の革新へ!令和6年の最新技術公募が始動
「トンネル発破作業における自動化・遠隔化技術」を公募します ~トンネル発破作業の安全性・生産性を向上する技術の開発・活用の促進~(国交省)
山岳トンネル工事においては、掘削や支保工作業が人力で行われることが多く、作業員が切羽鏡面に近接する場面が頻繁に発生しています。このため、切羽鏡面からの肌落ちによる労働災害が他の工種と比較して発生しやすい状況です。さらに、日本国内の建設業界全体では労働力の減少や熟練技術者の不足が進行しており、こうした課題を背景に省力化と安全性向上を実現する自動化技術の導入が急務となっています。
これまでに建設業界では自動化・遠隔化技術の開発が進められ、多くの現場でその効果が確認されています。しかしながら、トンネル工事における発破掘削作業に関しては、その内容が極めて複雑であるため、十分な技術開発が行われていないのが現状です。この課題を解決するために、山岳トンネル工事の発破作業に焦点を当てた技術開発と活用促進が求められています。
令和6年11月15日から12月13日までの期間にわたり、「トンネル発破作業における自動化・遠隔化技術」の公募が行われています。この公募の目的は、既存技術の開発状況を把握し、それらの技術を現場で活用するための基礎資料を収集することにあります。この取り組みを通じて、安全性と生産性の向上を実現する技術の普及を目指しています。
具体的には、切羽からの安全な距離で爆薬を装填する技術や、結線作業の遠隔化・不要化を図る技術、不発確認や防止を自動化する技術が求められています。また、これらの技術は、作業現場での安全性を確保するとともに、省人化を実現するための重要な手段と位置付けられています。
公募対象の技術には、既に実用化されている技術や、新たに開発され試行段階にある技術も含まれています。たとえば、フルオートジャンボや遠隔操作可能な孔内清掃器具、爆薬の遠隔装填システムなどが例として挙げられます。これらの技術は、切羽での危険作業を大幅に減少させるだけでなく、作業効率の向上にも寄与すると期待されています。
背景には、トンネル発破作業の危険性回避や、高齢化が進む作業員の負担軽減、さらには熟練技術者の不足への対応が挙げられます。こうした課題に応えるためには、労働災害のリスクを軽減しつつ、生産性の高い作業を可能にする革新的な技術の開発が急務です。
公募に関心のある企業や技術者は、指定された期間内に応募資料を作成し、応募要領に従って提出する必要があります。公募の詳細や応募手続きに関する情報は、日本建設機械施工協会の施工技術総合研究所を通じて確認することができます。
この取り組みは、単なる技術の開発にとどまらず、社会全体での安全文化の醸成にも寄与すると考えられています。自動化・遠隔化技術を普及させることで、作業員の安全を確保しつつ、持続可能な建設業界の実現を目指すという重要な一歩となるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ