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2024年11月13日

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三重県の有効求人倍率が1.13倍に低下、正社員の求人は依然として不足

一般職業紹介状況(令和6年9月内容)(三重労働局)

三重県の2024年9月の一般職業紹介状況によると、県内の有効求人倍率は1.13倍で、全国平均の1.24倍を下回り、三重県の順位は全国34位となっています。また、三重県内を就業地とする有効求人倍率(季節調整値)は1.33倍で、前月より0.03ポイント下がりました。新規求人倍率は1.78倍で、前月よりも0.24ポイント低下し、求人数が減少していることがわかります。

特に注目すべきは、新規求人数の減少が目立っており、前年同月比で14.6%減少しました。主な産業別に見ると、製造業では19.0%、宿泊業や飲食サービス業では36.7%の減少が見られ、業種ごとに異なる動向が確認されています。一方で、運輸業・郵便業は6.4%の増加を見せており、業界ごとの雇用状況には顕著な違いが生じています。

新規求職申込件数は前月比12.6%増加し、新規求人倍率の低下に影響を与えています。また、雇用情勢全体としては、求人が求職を上回って推移しているものの、求人の動きには足踏みが見られ、改善の兆しが弱い状態が続いています。

特に正社員の有効求人倍率は0.97倍で、前年同月よりも0.02ポイント下回り、依然として正社員の求人は不足している状態です。この状況は、三重県内の雇用市場における正社員雇用の厳しさを示しており、正社員の有効求人数が4.8%減少している点からも明らかです。

産業別に見ると、建設業では新規求人数が1.8%減少し、製造業では19.0%の減少が見られます。また、宿泊業や飲食サービス業では36.7%、生活関連サービス業および娯楽業では28.3%の減少が報告されており、観光業や外食産業の回復がまだ道半ばであることがうかがえます。一方、教育・学習支援業や医療・福祉業は比較的安定しており、これらの分野での雇用は堅調です。

新規求職申込件数に関しては、前年同月より0.6%の微増となりましたが、特に在職者の求職申し込みが10.6%減少しており、雇用の流動性が低下していることが示されています。また、無業者や離職者の求職申し込みが増加しており、特に事業主都合による離職者が22.0%増加したことが報告されています。これは、企業のリストラや業績悪化が一部で進んでいる可能性を示唆しており、経済状況の不透明さが影響していると考えられます。

このように、三重県の労働市場は、新規求人数の減少が続いており、特に宿泊・飲食業などのサービス業での求人の減少が顕著です。一方で、運輸業や郵便業は引き続き求人が増加しているため、これらの業界では比較的安定した雇用が期待されます。

今後の展望としては、観光業や製造業の回復が雇用情勢の改善に寄与することが期待されますが、正社員雇用の厳しさは依然として残っており、これに対する具体的な対策が求められています。また、新型コロナウイルスの影響が完全に解消されていない中で、リモートワークの推進や雇用環境の柔軟性を高める取り組みが企業に求められていると考えられます。

総じて、三重県の労働市場は改善に向けた動きが見られるものの、業種ごとのばらつきが大きく、引き続き雇用環境の厳しさが続くと予想されます。企業側にとっては、雇用のミスマッチを解消し、求職者のニーズに応じた柔軟な雇用形態やスキル向上の機会を提供することが重要となるでしょう。

⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ

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