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2025年2月20日

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三重県の高校新卒者の就職内定率73.9%!(令和6年9月末現在)

新規高等学校卒業者の求人・求職・内定状況(令和6年9月末現在)(三重労働局)

三重労働局が発表した令和7年3月卒業予定の高校生に関する就職内定状況のデータによると、令和6年9月末時点での就職内定率は73.9%となり、前年同期比で0.2ポイント増加しました。これは、県内の企業が積極的な採用活動を行っていることを示す一方で、一部の業種では採用競争が激化している可能性も示唆しています。新卒採用を考える企業にとって、このデータは市場の動向を見極める重要な指標となります。

令和6年9月末時点での求人数は9,308人となり、前年同期比で3.1%の増加が見られました。求人数の増加に伴い、就職希望者数も3,140人と0.8%の増加を記録しました。これにより、求人倍率は2.96倍となり、前年同期と比較して0.06ポイントの上昇となりました。これは、企業側が新卒採用に積極的な姿勢を示している一方で、高校生の就職希望者数はほぼ横ばいで推移していることを意味します。

この状況を考慮すると、採用活動を行う企業は、自社の魅力をいかにアピールするかが鍵となります。単に求人を出すだけではなく、他社との差別化を図るための採用戦略が求められます。特に、働きやすさやキャリアパスの明確化、福利厚生の充実といった要素が、求職者の選択基準として重要視される傾向にあります。

県内での高校新卒者向け求人の増加傾向は業種ごとに異なります。製造業、小売業、建設業、福祉関連など、幅広い分野で求人が出されていますが、特に人材不足が深刻な業種では求人数の増加が顕著です。近年の傾向として、労働力不足が続く介護・福祉業界や、技術者不足が指摘される製造業では、未経験者の育成を前提とした採用活動が活発化しています。

また、観光業やサービス業など、地域の特性を活かした業種でも新卒者の採用に力を入れる動きが見られます。これらの業界では、若手人材の確保が将来的な成長戦略の鍵となるため、早期内定を出す企業が増えています。

今回のデータから、企業の採用担当者が検討すべきポイントはいくつかあります。まず、求人倍率が高い業界では、採用競争が激化するため、給与や福利厚生の向上だけでなく、職場環境の改善やキャリアアップ支援など、求職者にとって魅力的な条件を整備する必要があります。

次に、採用活動の早期化が進んでいることにも注目するべきです。選考開始は9月16日からとなっていますが、早い段階で内定を出す企業が増えています。そのため、採用スケジュールを前倒しし、他社と差をつける戦略が求められます。特にインターンシップや企業説明会を積極的に開催し、早期から高校生との接点を持つことが重要です。

さらに、就職希望者が企業を選ぶ際に重視する要素を把握し、それに対応する取り組みを進めることも大切です。例えば、働きやすさや成長機会、職場の雰囲気など、企業のリアルな姿を伝えることで、より多くの求職者の関心を引くことができます。

採用活動の成功には、求職者とのマッチングを高めることが不可欠です。企業側が求める人材像と、求職者が求める職場環境にズレが生じると、内定辞退や早期離職の原因になります。これを防ぐためには、企業側が求職者のニーズを的確に把握し、それに合った採用プロセスを構築することが求められます。

また、職場見学や体験入社を実施し、実際の業務内容や社風を理解してもらう機会を提供することも有効です。これにより、求職者は自分に合った企業を見つけやすくなり、企業側も適性の高い人材を確保しやすくなります。

令和7年3月卒業予定者の就職内定率は前年よりも若干の上昇を見せていますが、今後の採用市場は変化し続けることが予想されます。特に、経済状況や労働環境の変化、新型コロナウイルスの影響による採用基準の見直しなどが、採用活動に与える影響は無視できません。

企業が持続的に優秀な人材を確保するためには、長期的な採用計画を立てるとともに、時代の変化に応じた柔軟な採用戦略を実施する必要があります。例えば、デジタル技術を活用した採用活動や、オンライン面接の導入、リモートワーク対応の強化など、新しい働き方に適応した取り組みが求められます。

⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ