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2025年3月12日

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不動産・物品賃貸業の平均月間実労働時間は150時間!前年比0.3時間減(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)

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毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)不動産 物品賃貸業

令和6年の毎月勤労統計調査によると、不動産・物品賃貸業の平均月間実労働時間は150時間で、前年比0.3時間の減少が確認された。この減少はわずかではあるが、業界全体での労働時間短縮の取り組みが一定の成果を上げていることを示している。不動産業界は、賃貸管理や売買仲介業務など、業務の幅が広く、繁忙期と閑散期の差が大きい業界である。そのため、労働時間の適正化を進めるには、業務のデジタル化や効率化が重要な課題となっている。

内訳を詳しく見ると、所定内労働時間は138時間で、前年比0.3時間の減少となった。この減少は、不動産業界においても働き方改革の影響が見られることを示している。特に、大手不動産会社では、物件管理や契約手続きのオンライン化が進み、従業員がオフィスに常駐しなくても業務を遂行できる環境が整ってきている。一方で、小規模な不動産会社や地域密着型の企業では、顧客対応や現地調査が必要なため、従来通りの働き方が続いており、所定内労働時間の大幅な短縮は難しい状況にある。

一方、所定外労働時間(残業時間)は12時間で、前年比0.9時間の減少が見られた。このデータから、不動産・物品賃貸業界では残業時間の削減が進んでいることが分かる。特に、賃貸管理業務では、入居者対応の24時間対応システムの導入や、契約書類の電子化が進むことで、従来よりも短い労働時間で業務を完了できるようになっている。ただし、不動産売買業務に関しては、顧客との商談が長引くことが多く、特に繁忙期には依然として長時間労働が発生しやすい傾向がある。

月間出勤日数については、18.6日で前年より0.1日減少している。この減少は、不動産・物品賃貸業においても柔軟な働き方の導入が進んでいることを示唆している。特に、週休2日制の導入が進むことで、従来よりも出勤日数が減少しつつある。ただし、現場対応が多い職種では、依然として休日出勤が発生するケースがあり、業務の平準化が今後の課題となっている。

企業の採用担当者にとって、このデータが示すポイントは、労働時間の短縮が進む中で、どのように生産性を向上させるかという点にある。不動産業界は、従来の対面営業が中心だったが、近年ではオンラインでの契約締結やVRを活用した物件案内など、新たな業務形態が広がっている。これにより、労働時間の適正化が可能となり、従業員の負担軽減が進んでいる。一方で、対面での接客が求められる業務においては、引き続き従業員の長時間労働が発生しやすいため、業務の分散化や効率化が求められる。

また、今後の課題として、労働時間の適正化と収益性の維持をどのように両立させるかが求められる。不動産業界では、契約手数料や管理手数料が主要な収益源となるが、労働時間の削減によって売上の減少を招かないようにする必要がある。そのため、ITを活用した業務の効率化や、顧客サービスの向上を進めることが、業界の持続的な成長に向けた鍵となる。

今後の展望として、不動産・物品賃貸業は、テクノロジーの進展により、大きな変革を迎えている。特に、AIを活用した査定システムや、ブロックチェーン技術による契約管理の効率化が進むことで、業務の省力化が期待されている。一方で、競争が激化する中で、従業員のスキル向上やサービス品質の維持が重要な課題となる。企業は、これらの変化に対応しながら、労働環境の改善と生産性向上を両立させることが求められる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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