2025年1月31日
労務・人事ニュース
中型バスでのレベル4自動運転が実現!茨城県日立市から始まる新時代の移動サービス
国内初の中型バスでのレベル4自動運転による運行を開始します(経産省)
2025年1月24日、茨城県日立市において、国内初となる中型バスのレベル4自動運転による営業運行が開始されることが発表されました。この運行は、経済産業省と国土交通省が共同で推進してきた「RoAD to the L4」と呼ばれる自動運転技術の実証事業の一環として行われます。必要な全ての許認可が同日までに取得されており、正式な営業運行は2025年2月3日から始まります。また、これに先立ち、2月2日には国と日立市が主催する出発式が予定されています。
このプロジェクトは、特定の条件下で自動運転装置がすべての運転操作を担う「レベル4自動運転」に基づいています。2021年度から取り組みが始まり、国立研究開発法人産業技術総合研究所や民間事業者とともにコンソーシアムを組成して進められてきました。今回の認可取得により、茨城県日立市内での実証運行が現実のものとなり、自動運転移動サービスの全国展開に向けた大きな一歩が踏み出されます。
この新たな取り組みは、通勤や通学の利用が見込まれる区間を対象としており、道の駅日立おさかなセンターからJR常陸多賀駅間を約6.1kmにわたり運行します。この距離は国内のレベル4自動運転の中で最長となり、一台の自動運転バスが平日に8便(4往復)運行する予定です。車両は、先進モビリティ株式会社が改造した国産中型バスを使用し、最高速度は40km/hに設定されています。
プロジェクトでは、信号のない交差点や横断歩道、多数のバス停での停車といった技術的に難しい課題に取り組み、これまでに得られた知見を「自動運転移動サービス社会実装・事業化の手引き」として公開しています。この手引きは他の自治体や事業者が同様の取り組みを進める際の参考となり、地方創生や移動課題解決に貢献することを目指しています。
さらに、この取り組みは、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想総合戦略」の実現に向けた重要な柱ともなっています。この戦略では、無人自動運転移動サービスを2025年度までに50カ所、2027年度までに100カ所で実現するという目標が掲げられており、日立市での実証運行はその最初の実例となります。
今後も、こうした先進事例の成果が全国に広がることで、交通の利便性が向上し、地方経済の活性化が期待されています。関係者によると、さらなる課題解決と技術革新を進めることで、自動運転技術が地域の移動手段として確立される未来が見据えられています。
このプロジェクトは、日本の自動運転技術の進展を象徴するものであり、交通インフラの新しい形を提示する試みとして注目されています。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ