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2025年2月1日

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中小企業のデジタル化進展、効果は「効率化」と「人手不足解消」に注目(東京商工会議所)

「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」 集計結果 ~積極的なデジタル活用が着実に進む。取組の効果は「業務効率化」に加え「人手不足解消」も増加~(東京商工会議所)

2025年1月10日、東京商工会議所は「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」の結果を発表しました。本調査は、デジタル化やDXの現状と課題を把握し、今後の支援策や政策提言に反映させることを目的に実施されました。調査対象は主に東京23区内の中小企業で、1,218社から回答を得ました。この調査結果から、デジタルシフトの進展状況や課題、効果が明らかになっています。

調査によると、中小企業の約8割が何らかの形でITを導入しており、そのうち約5割はITを業務に活用しています。特に、ITを競争力強化や差別化の手段として活用している企業の割合は8.9%に達し、前回調査より2.2ポイント上昇しました。デジタル化の進展には、従業員数が多い、利益が増加傾向にある、社歴が浅い、従業員や経営者の年齢が若い企業ほど積極的であるという特徴が見られました。

デジタルシフトの効果については、77.9%の企業が成果を実感しており、特に「業務効率化」が81.0%と圧倒的に多く挙げられました。これにはコスト削減や時間短縮、ミス防止といった効果が含まれています。また、「人手不足解消」と回答した企業も約2割に上り、デジタル化が労働力の補完としても役立っていることがうかがえます。一方、ITを高度に活用している企業では「業務の見える化」や「社内コミュニケーションの促進」など、より多様な効果が得られています。

課題としては、「コスト負担」を挙げる企業が31.9%と最も多く、前回調査から順位を上げました。また、「旗振り役となる人材の不足」や「従業員のITスキル不足」、さらに「適切なデジタルツールの選択」や「導入効果の評価」に関する問題も多くの企業が指摘しています。こうした課題の解消が、さらなるデジタル化の推進には不可欠です。

外部人材やリソースの活用状況については、デジタルシフトを進めている企業でも「活用していない」との回答が40.0%に上り、外部の専門家やITベンダーの活用が進んでいない現状が浮き彫りとなりました。ただし、IT活用のレベルが高い企業では3割以上が外部のリソースを利用しており、こうした企業間の格差も見られます。

サイバーセキュリティ対策に関しては、約8割の企業が何らかの対策を行っているものの、ウイルス対策ソフトやソフトウェアの定期的な更新といった基本的な対策にとどまっているケースが多く、より高度なセキュリティ対策の普及は課題として残っています。さらに、自社がサイバー攻撃を受けたと答えた企業は17.5%に上り、「分からない」と回答した企業も14.8%を占めることから、攻撃への検知や対応力の向上が求められます。

今回の調査結果を受けて、東京商工会議所では中小企業の実情に即した支援策の検討を進めるとともに、政策提言活動を展開していく方針です。中小企業がデジタル化の効果を最大限に引き出せるよう、包括的なサポートが期待されます。

⇒ 詳しくは東京商工会議所のWEBサイトへ

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