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2024年6月5日

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中小企業の設備投資実施率が0.4ポイント低下し25.9%、2024年度も14.3%で横ばいに

「小企業の設備投資動向調査」結果(2023年度)~企業の属性別にみた設備投資動向~(全国中小企業動向調査(小企業編)2024年1-3月期特別調査)(日本政策金融公庫)

2024年1月から3月にかけて実施された「全国中小企業動向調査(小企業編)」の結果が、2024年5月28日に株式会社日本政策金融公庫総合研究所から発表されました。この調査は、全国の中小企業に対して行われたもので、特に小企業の設備投資動向に焦点を当てています。調査の実施要領は2024年3月中旬に行われ、日本政策金融公庫の取引先である10,000社のうち、57.8%にあたる5,784社から有効回答を得ました。

2023年度に設備投資を実施した企業の割合は、前年度より0.4ポイント低下して25.9%となりました。2024年度の設備投資計画については、実施予定の企業が14.3%と、前年の計画からほぼ横ばいの状態です。設備投資の目的としては、「補修・更新」が57.0%と最も多く、次いで「省力化・合理化」が26.2%となっています。

2023年度に設備投資を行わなかった企業の34.3%は、現在の設備が「不十分である」と回答しました。設備投資を実施しなかった理由としては、「事業の先行きに不安がある」が52.5%と最も多く、次いで「借り入れ返済(リース支払)負担が重い」が50.8%でした。

調査結果を企業の属性別に見ると、運輸業が36.6%と最も高い設備投資実施率を記録し、次いで建設業(31.0%)、飲食店・宿泊業(28.5%)となっています。従業者規模別では、規模が大きいほど設備投資実施率が高く、「1~4人」の企業で20.3%、「5~9人」で33.1%、「10人以上」で42.4%でした。業歴別では、「1年以上3年未満」の企業が41.2%と最も高く、「3年以上5年未満」が30.4%となっています。

設備投資の内容については、「車両」が19.2%と最も高く、次いで「建物の増改築」(12.9%)、「商業用機械・設備」(12.1%)の順でした。業種別に見ると、「車両」は運輸業や建設業で高く、「建物の増改築」は飲食店・宿泊業や小売業で高い割合を占めています。

年間の設備投資金額を見ると、「100万円以上300万円未満」と回答した企業が23.2%と最も多く、次いで「50万円未満」(20.9%)、「50万円以上100万円未満」(15.9%)の順です。300万円以上を投資した企業の割合は、前年度より2.2ポイント上昇し、40.0%に達しました。

設備投資を実施しなかった企業に現在の設備について尋ねたところ、65.7%が「十分である」と回答し、34.3%が「不十分である」と回答しました。設備が不十分であると回答した企業に投資を実施しなかった理由を尋ねると、「事業の先行きに不安がある」(52.5%)、「借り入れ返済(リース支払)負担が重い」(50.8%)が主な理由として挙げられました。

この調査結果は、中小企業が設備投資に対して慎重な姿勢を示していることを反映しています。特に事業の先行きに対する不安が、設備投資を躊躇させる大きな要因となっています。企業の成長や効率化のためには、安定した経済環境の整備とともに、設備投資に対する支援策の充実が求められています。

「小企業の設備投資動向調査結果(2023年度)」はこちら

⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ