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2024年3月2日

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中年期の健康課題と仕事への影響 新たな調査結果から

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JILPTリサーチアイ 第80回 ミドルエイジの健康を問う ─男女の健康課題と就業への影響─(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

労働政策研究・研修機構(JILPT)が行った新たな調査「仕事と生活、健康に関する調査」(JILLS-i)は、国内の35~54歳男女の健康、仕事、生活状況を追跡することを目的として2023年1月に開始されました。この調査は、同一の個人に半年ごとに焦点を当て、その変化や相互影響を探るものです。今回はその初回調査結果から、中年期における健康問題とその仕事への影響に焦点を当てて紹介します。

中年期の人々、特に40~50代は、シニア層に比べると病気の発症率は低いかもしれませんが、更年期障害など年齢特有の健康課題を抱えています。また、医療機関を訪れるような病気だけでなく、日常生活で感じる腰痛や肩こりなどの不調も無視できません。これらの問題は、仕事や生活に大きな影響を与える可能性があります。

調査結果によると、自分の健康状態に対する認識(主観的健康)には、性別や年齢、就業状態による違いが見られました。年齢が上がるにつれて、健康状態に対する肯定的な見方が減少する傾向にあります。また、就業している人の方が、そうでない人に比べて健康状態を良好と感じる割合が高いことが分かりました。

健康診断の受診状況と指摘された健康問題に関しても、性別や年齢による違いが明らかになりました。特に中年男性は、コレステロール値や血圧などで異常が指摘される割合が高く、生活習慣病のリスクが顕著でした。

日常生活で感じる身体的な不調についても調査され、疲労感や腰痛、睡眠障害などが主な悩みとして挙げられました。これらの不調は、性別や年齢層によって異なり、特に女性は男性に比べて不調を訴える割合が高かったです。

さらに、日々の不調や痛みへの対処方法として、医薬品の使用が挙げられました。特に、身体症状の深刻度が高い人ほど、解熱鎮痛薬や睡眠薬などの使用頻度が高いことが確認されました。

最後に、健康状態が就業に与える影響についても検討されました。プレゼンティーイズム、つまり健康問題を抱えながらも出勤し続けることで業務パフォーマンスが低下する現象が確認され、特に身体症状の深刻度が高い人でその傾向が強いことが示されました。

この調査結果は、中年期の健康問題が個人だけでなく、職場や社会にも大きな影響を及ぼす可能性があることを示しています。健康管理や働き方の改善が、今後さらに重要になってくるでしょう。

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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