2024年11月24日
労務・人事ニュース
九州の採用市場が加熱!求人数が前年比150%増、理系人材の不足が顕著に
景気ウォッチャー調査(令和6年10月調査)― 九州(現状)―(内閣府)
2024年10月に実施された九州地域の景気ウォッチャー調査によると、九州の経済は業種ごとに異なる影響を受けています。特に、採用市場においては需要と供給の不均衡が顕著に現れており、企業の採用活動においていくつかの重要な課題が浮き彫りになっています。
まず、九州の採用市場では新卒採用活動が依然として活発であり、多くの企業が新卒採用に力を入れています。特に、理系人材の需要が高まっており、求人の数は前年に比べて増加しています。実際、大学4年生の求人数は増加傾向にあり、企業は新卒の確保に積極的に動いています。しかし、理系人材に関しては供給が追いついていない現状があり、多くの企業が理系人材を確保するために非常に厳しい競争を繰り広げています。このような状況の中、採用活動は10月以降も継続して行われており、企業は人材確保のためにあらゆる手段を講じているのが現実です。
一方で、企業によっては採用活動が通年化し、長期的な採用活動が続いている状況です。中小企業では、通常の新卒採用の予定数を満たせず、年間を通じて採用活動を続けているところも多くあります。このような背景には、生産年齢人口の減少と、それに伴う人材不足があります。特に地方では、UターンやIターンを希望する若年層の確保が課題となっており、企業は地域の魅力を強調した採用戦略を採用しています。このような戦略は、企業が地域社会に密着した人材を確保するための重要な手段となっています。
また、採用活動の背景には、物価の高騰や人件費の増加が影響しています。特に、企業が求める報酬水準を提供するためには、採用活動にかかるコストが増大しています。物価高騰は消費者の購買意欲に影響を与え、企業が提供する報酬や福利厚生の見直しが急務となっている状況です。このような経済的な背景の中で、企業は報酬交渉においても柔軟に対応し、採用活動の効率化を図っています。
さらに、採用市場の中では、景気動向が企業の採用方針にも大きな影響を与えています。多くの企業が景気の回復を期待し、採用活動を強化している一方で、物価高や経済不安定要素が企業の採用決定に影響を与えています。特に、消費活動の低迷が続く中、企業は採用活動を行う際の予算配分を慎重に行い、採用コストの削減に努めています。また、企業によっては、採用活動を短期間で集中的に行うことを選択し、効果的な人材確保を目指す動きも見受けられます。
このように、九州の採用市場は、求人数の増加や理系人材の需要の高まりを背景に活発に推移していますが、同時に、企業は採用活動におけるコストや供給不足という課題にも直面しています。これらの課題を乗り越えるためには、企業の採用担当者が柔軟な採用戦略を立て、地域特性を活かしたPRや報酬水準の見直しを進めることが不可欠となっています。
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