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2025年2月25日

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九州の景気動向最新レポート 企業の採用難が続く中、求人数は前年比15%増(令和7年1月)

景気ウォッチャー調査(令和7年1月調査)― 九州(現状)―(内閣府)

九州経済の現状に関する最新の調査結果によると、地域全体でさまざまな業界が影響を受けていることが明らかになった。百貨店では、売上が前年同月をわずかに上回るものの、消費者の購買行動は慎重さを増しており、高額商品の売れ行きは鈍化している。スーパー業界では、昨年12月の来客数が前年比100.9%と増加したが、1月には値上げの影響もあり98.7%に減少。コンビニエンスストア業界では、時給を引き上げなければアルバイトを確保できない一方で、来客数自体は増加傾向にあるという。

衣料品専門店では、例年より遅れて冬物商品の需要が増えてきたが、消費者は価格に対して敏感になっている。家電量販店では、寒波の影響で暖房器具や感染症対策商品が売上を牽引しているが、来客数自体は前年の90%を下回る状況が続いている。自動車販売業界では、新車の生産が順調に進んでおり、販売台数も伸びているが、一部の車種では供給が追いつかず、受注残による販売が中心となっている。

住宅関連業界では、仕入価格の上昇により販売価格も上昇傾向にあるが、消費者もインフレに慣れてきたためか、販売量に大きな変化は見られない。観光業界では、企業の業績好調により法人向けインセンティブ旅行が増加し、個人旅行も回復基調にある。ホテル業界では、インバウンド客の増加がみられる一方で、国内の宿泊需要は物価上昇の影響もあり鈍化している。タクシー業界では、需要の高まりに伴い乗務員の増加が進んでおり、料金単価の改定が期待されている。

通信業界では、年度末の予算消化のための駆け込み需要が発生しているほか、年末年始に発生したサイバー攻撃事案の影響で企業のセキュリティ意識が高まり、セキュリティ関連サービスの需要が急増している。学習塾業界では、家庭の教育支出が増えており、問い合わせが増加している。一方で、商店街では物価上昇の影響で消費者の購買意欲が低下し、定価が下がった商品に関心を示しても最終的に購入を控える傾向がみられる。

食品小売業界では、物価高騰の影響が大きく、高単価商品は売れ行きが鈍化しているが、業務用販売は好調を維持。生花業界では、イベントシーズンの終了に伴い売上が低迷している。スーパーでは、価格上昇の影響で販売量が伸び悩んでおり、特に精肉の売上が不振。コンビニ業界では、価格に敏感な消費行動が強まり、割引商品やバーゲンセール品の売れ行きが好調であるが、来客数自体は横ばいとなっている。

観光業界では、温泉地やテーマパークの来場者数が増加しているものの、天候や物価上昇の影響で客足が鈍る場面も見られる。ゴルフ場では、韓国からの観光客が増加し、予約数は堅調に推移している。競馬場では、売上が横ばいで推移しており、美容業界では寒さの影響で売上が伸び悩んでいるが、春以降の回復を期待する声が多い。

住宅販売業界では、来場者数やWeb問い合わせ数が3か月間変化がなく、依然として横ばいの状況が続いている。建設業界では、公共工事の増加が見込まれているが、建築材料や人件費の上昇により、計画の遅れが発生している。一方で、輸送業界ではエネルギー価格の高騰が収益に打撃を与えており、運送会社の利益を圧迫している。

人材市場に目を向けると、求人数は増加傾向にあるが、企業の採用活動は難航している。特に中小企業では、2025年卒の採用目標を達成できずに苦戦している状況が続いている。外国人労働者の活用も進んでいるが、賃金の上昇やインフレの影響で採用コストが増加している。

全体的にみると、九州経済は回復の兆しを見せつつも、消費者の節約志向や物価上昇の影響を強く受けており、業界ごとに明暗が分かれる状況が続いている。企業の採用担当者にとっては、求職者の確保が課題であり、柔軟な雇用戦略が求められている。また、消費者の購買行動の変化を捉え、価格設定やプロモーション戦略を見直すことが、売上回復の鍵となるだろう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ