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2025年5月15日

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事業所規模30人以上、全国平均給与34万4743円!令和6年11月最新データ

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毎月勤労統計調査地方調査 令和6年11月分結果概要 事業所規模30人以上 調査産業計(厚労省)

令和6年11月に実施された全国統一労働統計調査の結果が発表され、今回は事業所規模が30人以上の企業に焦点を当てたデータがまとめられました。対象となったのは調査産業計とされる幅広い業種であり、企業の採用担当者にとっては、労働市場の最新状況を把握するために極めて重要な指標となっています。今回の調査では、常用労働者数、労働時間、出勤日数、給与額など、多面的なデータが収集されており、これを正しく読み解くことで、より効果的な採用戦略を策定するための貴重なヒントを得ることができます。

全国規模で見ると、事業所規模30人以上の企業における常用労働者数は3116万7000人に達しました。これは前年同月と比較しても堅調な推移を示しており、大規模事業所における雇用の安定ぶりを象徴しています。労働時間に関しては、総実労働時間が146.4時間、所定内労働時間が134.3時間、所定外労働時間、いわゆる残業時間が12.1時間という結果でした。特筆すべきは、全国平均の所定外労働時間が依然として10時間を超えている点であり、働き方改革が進む中でも残業時間削減には課題が残されていることがうかがえます。

出勤日数については、全国平均で18.4日となり、月間の標準的な勤務日数をやや下回る水準です。これにより、月末の休日設定や有給休暇取得の浸透が進んでいる様子も感じ取ることができます。一方、給与に関するデータを見ていくと、現金給与総額の全国平均は34万4743円で、うちきまって支給される給与が31万9881円、所定内給与が29万3859円、特別給与、すなわち賞与などの一時金が2万4862円という結果でした。この水準は前年と比較しても上昇傾向にあり、インフレ傾向を反映した賃金引き上げが企業側に求められている現状を示しています。

地域別に詳細を見ていくと、北海道の常用労働者数は100万5700人で、総実労働時間は144.6時間、所定内労働時間は134.4時間、所定外労働時間は10.2時間と全国平均より若干少ない傾向が見られました。出勤日数は18.7日であり、ほぼ全国水準となっています。現金給与総額は29万1878円で、きまって支給される給与が27万7721円、所定内給与が25万7624円、特別給与が1万4157円となっており、全国平均を下回る給与水準が確認されました。これにより、北海道では比較的安定した労働時間であるにもかかわらず、給与水準が全国平均よりも低めであることが分かります。このような地域差を踏まえて、北海道での人材採用にあたっては、給与以外の魅力付け、例えば福利厚生の充実や柔軟な勤務体系の提案などが重要になってきます。

青森県では、常用労働者数は21万1000人、総実労働時間は153.5時間、所定内労働時間は142.2時間、所定外労働時間は11.3時間、出勤日数は19.7日でした。現金給与総額は27万7600円、きまって支給する給与は25万3486円、所定内給与は23万4788円、特別給与は2万4114円となっています。特筆すべきは労働時間と出勤日数の多さであり、全国平均よりも大幅に上回っている点です。その一方で、給与水準は全国平均を大きく下回っており、働き方に対する企業の対応が求められる地域と言えるでしょう。採用活動においては、労働時間短縮を前面に押し出すことで、青森県での採用力を高める施策が有効と考えられます。

岩手県では、常用労働者数は23万3300人、総実労働時間は147.3時間、所定内労働時間は137.4時間、所定外労働時間は9.9時間、出勤日数は19.0日と、こちらも全国平均よりやや長めの労働時間が続いています。現金給与総額は28万4558円、きまって支給される給与は26万993円、所定内給与は24万1093円、特別給与は2万3565円でした。岩手県においては、青森県よりも労働時間がやや短く、給与水準も若干高めであるため、地元企業はこの点を積極的にアピールすることで、他地域との競争優位性を確保できる可能性があります。

このように、地域ごとに労働条件や給与水準には明確な差異が存在しており、全国平均だけを基準にした採用施策では、地域ごとの実情に即した対応が難しいことがわかります。特に地方では、給与以外の要素、すなわち働きやすさやキャリアパスの明確化、生活環境の良さといった点を強調することが、優秀な人材を惹きつけるために必要不可欠です。たとえば、年間休日数の多さや、在宅勤務制度の導入率、育児・介護休業取得率といった具体的な指標を用いて、自社の強みを明示的に打ち出していくことが求められます。

さらに、特別給与の支給状況にも注目する必要があります。全国平均で2万4862円という特別給与は、月々の給与に上乗せされる形で年2回支給されることが多く、年間ベースでは約5万円近い金額となります。これをどのように設計し、効果的に支給していくかは、企業の採用力向上だけでなく、定着率向上にも大きく影響します。特別給与を「成果連動型ボーナス」として設定するなど、支給基準を透明化することで、従業員のモチベーション向上にもつなげることができます。

採用市場は今後ますます競争が激しくなると予想されるため、今回の統計結果を参考にしながら、自社の給与水準や労働条件を常に見直し、時代に適応した施策を講じることが極めて重要です。正確なデータに基づいた意思決定が、結果的に持続的な企業成長と人材確保に直結することを、改めて認識しておくべきでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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