2024年6月18日
労務・人事ニュース
二人以上の世帯の消費支出、4月は313,300円で前年同月比実質0.5%増
家計調査報告(二人以上の世帯)2024年(令和6年)4月分(総務省)
2024年4月の家計調査(二人以上の世帯)に関する詳細な報告が発表されました。ここでは、消費支出と実収入についての主要なデータとその解釈を詳述します。
まず、二人以上の世帯における消費支出について見てみましょう。2024年4月の1世帯当たりの平均消費支出は313,300円でした。これは前年同月比で実質0.5%の増加、名目では3.4%の増加を示しています。実質増加率がプラスに転じたのは14か月ぶりのことです。これに対して、前月比の季節調整値では実質1.2%の減少が見られ、消費行動における短期的な変動が反映されています。
具体的な消費支出の内訳を分析すると、食料費は83,816円で、前年同月比で実質2.7%減少しました。特に、野菜や海藻、肉類などの費目では減少が顕著であり、食料全体の実質寄与度を押し下げる要因となっています。一方で、家賃や地代、設備修繕・維持費などの住居関連費は16,482円で、実質3.5%増加しました。家庭用耐久財や寝具類なども含む家具・家事用品費は11,619円で、実質1.9%の増加を示しました。被服及び履物の支出は11,269円で、前年同月比で実質11.3%と大きく増加しています。特に洋服や被服関連サービスの需要が高まったことが影響しています。
消費支出の増減要因として、交通・通信費は40,495円で、実質10.2%減少しました。自動車関係費の減少が大きな要因です。教育費は24,487円で、実質25.9%の増加を示し、授業料や補習教育費の支出が大きく寄与しました。教養娯楽費は29,738円で、実質9.2%減少し、特に教養娯楽サービスや耐久財の支出減が影響しています。その他の消費支出については、54,851円で実質10.0%の増加が見られ、仕送り金や諸雑費などが含まれます。
次に、勤労者世帯の実収入について見てみましょう。2024年4月の1世帯当たりの平均実収入は566,457円で、前年同月比で実質0.6%減少しましたが、名目では2.3%の増加を示しました。世帯主の収入は382,064円で、名目2.6%増加、実質では0.3%減少しました。定期収入も含めた全体の収入は365,318円で、名目1.4%増加、実質では1.5%減少しています。これに対して、配偶者の収入は95,559円で、名目9.1%増加、実質6.0%増加と顕著な伸びを見せています。その他の世帯員の収入は13,758円で、名目では0.8%減少、実質では3.6%減少しました。
実収入に占める非消費支出、つまり税金や社会保険料などの支出は113,446円で、前年同月比で名目11.6%増加しました。可処分所得、つまり実収入から非消費支出を差し引いた額は453,011円で、前年同月比で実質2.6%減少しました。消費支出は345,020円で、実質0.3%の増加を示し、実質消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)は76.2%となっています。
これらのデータから読み取れることは、家計の消費行動が前年と比較して若干改善している一方で、実収入の減少が家計に影響を及ぼしているということです。特に、消費支出が増加している項目と減少している項目のバランスが、家計全体の消費行動に重要な影響を与えています。消費支出の内訳を見ると、教育費や家具・家事用品、被服及び履物などに対する支出が増加している一方で、食料や交通・通信費が減少していることが分かります。これにより、家計の優先順位や支出の見直しが求められる状況が見受けられます。
総じて、2024年4月の家計調査の結果は、家計の消費行動や収入の動向を示す重要な指標となっています。家計の健全な運営を維持するためには、収入の多様化や節約の強化、効果的な資産運用などが必要となるでしょう。また、政策的には、消費支出の増加を促進し、家計の購買力を向上させるための施策が求められます。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ