2024年8月14日
労務・人事ニュース
京都府労働市場の最新動向:2024年6月の有効求人倍率が1.18倍に低下
報道発表資料 京都府内の雇用失業情勢(令和6年6月分)(京都労働局)
京都府の労働市場における2024年6月の状況について、京都労働局が発表した最新のデータを基に詳しく分析します。企業の採用担当者にとって、こうしたデータは労働市場の動向を把握し、今後の採用計画を策定する際に重要な指標となります。
2024年6月の有効求人倍率は1.18倍で、前月より0.01ポイント低下しました。これは、求人が減少し求職者が微増したことによるものです。具体的には、有効求人数は52,963人で前月比0.9%減少し、有効求職者数は44,979人で同0.4%増加しました。この結果、企業が求める労働力と求職者のバランスが少しだけ崩れたことがわかります。
さらに、新規求人倍率も2.15倍と前月比で0.09ポイント低下しました。これは新規求人数が16,286人で前月比10.6%減少し、新規求職者数も7,580人で6.8%減少した結果です。このデータから、企業が新たに求人を出す意欲が減退している可能性が示唆されます。特に、製造業やサービス業などの主要産業で求人が減少していることが確認され、景気の先行きに対する不安が背景にあると考えられます。
また、正社員の有効求人倍率は0.89倍で、前年同月より0.02ポイント低下しました。これは正社員求人の減少と、正社員を希望する求職者数の減少によるもので、企業が正社員採用に慎重になっている様子が見受けられます。具体的には、正社員求人は22,692人で、有効求人に占める割合は44.7%、一方で正社員を希望する求職者は25,380人で、有効求職者に占める割合は54.2%となっています。
地域別に見ると、京都市内の各ハローワークでの有効求人倍率や求人数にはばらつきが見られます。例えば、京都西陣、京都七条、伏見の各地区では、有効求人倍率が1.0倍を超えており、特に伏見では1.23倍と高めの数値を記録しています。一方で、京都田辺や宇治では有効求人倍率が1.0倍を下回る状況が続いており、地域間での労働力需給のギャップが存在することが分かります。
京都府全体としての雇用保険適用事業所数は47,868件で、前年同月比で0.6%増加し、平成22年12月から163か月連続で増加傾向にあります。これは、事業所の存続や新規事業所の増加が続いていることを示しており、地域経済が徐々に回復している兆候とも取れます。
しかし、雇用保険の受給資格決定件数は2,091件で、前年同月比17.4%減少しており、受給者実人数も1.7%減少しています。このことから、離職者の減少や再就職の促進が一定の効果を上げていると推察されますが、同時に、景気の停滞が長引けば、今後の失業者数の増加も懸念されます。
総じて、京都府内の労働市場は全体としては緩やかな改善傾向にあるものの、一部の指標では不安定さが見られます。特に、新規求人の減少や地域間での求人倍率のばらつきは、企業が今後の採用戦略を考える際に注視すべきポイントです。これらのデータを踏まえて、企業は労働市場の動向を慎重に見極め、適切なタイミングでの採用活動を進めることが求められます。
⇒ 詳しくは京都労働局のWEBサイトへ