2024年3月20日
労務・人事ニュース
仕事と介護のバランスを取るための企業の取り組みと制度

令和5年度 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(厚労省)
日本において、介護の必要性は増加しており、職場でも介護と仕事の両立を支援するための制度が整えられています。特に、家族を介護しながら働く人々を支援するため、政府は育児・介護休業法に基づく様々な制度を設けています。
介護が必要な家族がいる労働者は、年間最大5日間(対象家族が2人以上の場合は10日間)の介護休暇を取得できます。これは1日または時間単位で利用可能です。有期契約労働者も条件を満たせば、この休暇を利用することが可能です。具体的には、予定休暇開始日から93日後から6ヶ月以内に労働契約が明らかに終了しない場合、介護休業を取得できます。また、介護休業は、対象家族1人につき通算93日の範囲内で最大3回まで取得可能です。
介護休業中は給料の支払いはないものの、休業給付金として賃金の67%が支給されます。労働者が請求することにより、所定外労働、月24時間以上および年間150時間を超える時間外労働、さらに深夜労働(22時から5時まで)が制限されます。
企業は、介護休業を取得した従業員に対して解雇や不利益な扱いを禁止し、介護休業に関連するハラスメントから守るための措置を講じることが求められています。従業員は、3年間に2回以上、短時間勤務、フレックスタイム制度、始業・終業時刻の調整、介護費用の援助などの措置を利用できます。
また、政府は仕事と介護の両立を支援するために研修プログラムを展開しています。これには、就労中の家族のケアプラン作成を支援するケアマネージャーへの情報提供やセミナーの開催が含まれます。この研修は、実務と理論の両方を含むもので、事例研究やロールプレイングを通じて、具体的な介護管理のスキルを向上させることを目指しています。
このように、日本では介護を必要とする家族がいる労働者を支援するために、休暇制度、時間外労働の制限、給付金支給などの複数の制度が整備されており、労働者が仕事と介護のバランスを取りやすくなっています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ