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2024年2月1日

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仕事と家庭の調和を目指して 育児・介護休業法

知っておきたい 育児・介護休業法 動画を公開(厚労省)

育児と介護の責任を持つ労働者が職場を離れずに仕事と家庭の両立を図ることができるよう、育児・介護休業法が制定されています。この法律は、全ての労働者が育児や家族の介護を理由に退職せずに、仕事とプライベートのバランスを取りながら継続して勤務できるようにするための支援策を提供しています。育児休業や介護休業をはじめとする様々な制度が設けられており、これらは企業の規模に関わらず利用可能です。もし企業に特定の規則がなくても、法律に基づく要件を満たせば休業を取得することができます。

介護と仕事を並行して行うことは困難な場合がありますが、退職せずに収入を確保し、社会とのつながりを維持することで、介護が必要な家族を支えつつ、自身の将来への選択肢も広げることが可能です。早い段階でこれらの制度について学び、準備をしておくことが大切です。

介護休業や短時間勤務、残業の制限など、労働者が介護責任を果たしながらも働き続けられるように支援する多様な制度があります。これらは、長期間にわたって介護を必要とする家族を支えるためのもので、対象となる家族には配偶者、両親、兄弟姉妹、祖父母、孫などが含まれます。パートタイマーやアルバイトなど、雇用形態に関わらず、一定の要件を満たせばこれらの制度を利用することができます。

育児休業では、原則として子供が1歳になるまで、または特定の事情がある場合には2歳になるまで休業を取得することができます。休業期間中、親は育児に専念できるようになり、また「パパママ休業プラス」のように、両親が共に休業を取得することで、家庭内での育児負担の分担も促されます。さらに、令和4年10月には「サンゴパパ休業」が導入され、新たな父親の育児休業取得を促進する制度も設けられました。

これらの制度の活用により、働く親が育児や介護と仕事の両立を実現しやすくなり、より柔軟な労働環境の整備が進んでいます。企業においても、これらの休業制度の取得を理由にした不利益な取り扱いを禁止し、職場でのサポート体制の構築が求められています。

知っておきたい 育児・介護休業法 動画はこちら(厚労省)

新時代の働き方 育児と介護を支える休業制度

育児・介護休業法の充実は、日本の労働市場に複数の重要な影響を与えます。以下にその主な影響を挙げてみます。

労働力の維持と拡大
高い労働参加率の維持
育児や介護責任を理由に職を辞める必要がなくなるため、特に女性や中高年の労働者が職場に留まりやすくなります。これにより、労働力不足が深刻化する日本の労働市場において、貴重な労働力を維持することが可能になります。

労働市場への再参加の促進
介護や育児休業後の復職支援が強化されることで、職場復帰を希望する人々がスムーズに仕事に戻れるようになります。これは、特に長期間のブランクを持つ人々が再び働き始めやすくなることを意味します。

労働環境の改善
ワークライフバランスの促進
育児や介護と仕事の両立支援により、労働者のワークライフバランスが改善されます。これにより、仕事の満足度や生産性が向上し、メンタルヘルスの問題が減少する可能性があります。

雇用の質の向上
休業制度の整備は、企業がより柔軟な働き方を提供することを促します。これにより、労働者が自身のライフステージやライフスタイルに応じて働き方を選択できるようになり、雇用の質が向上します。

男女平等の推進
性別役割分担意識の変化
育児休業の取得が男性にも促されることで、従来の性別に基づく役割分担の意識が変化します。これにより、家庭内での男女平等が進み、女性の職場での活躍の場も拡大することが期待されます。

企業文化の変革
企業の人材管理戦略の見直し
育児や介護休業制度を活用する労働者が増えることで、企業は人材管理や業務運営の方法を見直さざるを得なくなります。柔軟な働き方やリモートワークの導入など、労働者のニーズに合わせた働き方の提供が求められるようになります。

企業ブランドの向上
育児・介護支援策を積極的に取り入れる企業は、社会的責任を果たしていると評価されやすく、優秀な人材の獲得や顧客の信頼獲得につながります。

育児・介護休業法の充実は、日本の労働市場において多様性と柔軟性を促し、長期的な経済成長と社会的包摂を支える重要な役割を果たします。

知っておきたい 育児・介護休業法(介護編ダイジェスト版)動画(厚労省)

この動画ではこのようなことを語っています。介護休業制度は、家族の介護を必要とする人々が仕事と介護のバランスを取りやすくするための大切な支援策です。この制度を活用することで、職を辞めることなく収入を保持し、社会との繋がりを維持できます。さらに、介護が必要な状況が終わった後も、自身のキャリアパスを広げる機会を確保できます。介護がまだ必要ではないと感じている方も、早めに制度について学び、準備をしておくことが重要です。

育児・介護休業法に基づく、介護休業制度は、介護が必要な家族を支えるための仕組みです。対象となる家族には、配偶者、両親、子ども、配偶者の両親、祖父母、兄弟姉妹、孫などが含まれます。この制度は、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトなど、一定の条件を満たすすべての労働者が利用可能です。ただし、企業によっては一部の労働者を対象外とする場合があるため、自身が利用できるかどうかは、勤め先に確認が必要です。

介護休業制度にはいくつかの主要な部分があります。まず、介護休業は、対象となる家族一人につき最大3回、合計93日まで取得可能です。また、介護のための休暇は、対象家族が1人の場合年間5日、2人以上の場合は年間10日まで取得できます。これらの休暇は、1日単位や時間単位で利用することができます。

さらに、短時間勤務やフレックスタイム制度、時差出勤など、介護を理由とした勤務時間の調整が可能です。これらの措置は、利用開始日から3年以内であれば2回以上取得することができます。企業は、これらの制度のうち少なくとも一つを設けることが義務付けられています。

加えて、介護が理由での残業免除、時間外労働や深夜業の制限もあります。これにより、介護を必要とする家族のサポートが必要な従業員は、仕事と介護のバランスをより良く取ることができるようになります。

重要なのは、介護休業などを取得したことで不利益な扱いを受けたり、ハラスメントに遭遇したりすることが法律で禁止されていることです。仕事と介護の両立を目指し、介護サービスと合わせて介護休業制度を活用することが推奨されます。制度についての疑問や相談がある場合は、都道府県労働局や雇用環境均等部への問い合わせが有効です。

知っておきたい 育児・介護休業法(育児編ダイジェスト版)動画(厚労省)

この動画ではこのようなことを語っています。日本において、職場と家庭生活のバランスを保ちながら働き続けることを支援するために、育児休業制度が用意されています。この制度は、子育てをしている従業員が、性別を問わずに活用できるものです。さまざまな雇用形態の人々が条件を満たせばこの制度を利用でき、特定のケースでは会社が特定の従業員を対象外にすることもあり得ますので、利用資格については各自の職場で確認が必要です。

育児休業は、原則として1歳未満のお子さんをお持ちの親が2回まで取得可能です。保育所に入所できないなど特別な事情がある場合、休業は最長でお子さんが2歳になるまで延長することができます。また、パートタイマーやアルバイトなど、期間を定めた雇用契約に基づく労働者も、一定の条件を満たしていればこの休業を利用できます。

両親が共に育児休業を取る場合、特例としてお子さんが1歳2ヶ月に達するまでの間に1年間の休業が認められます。さらに、2022年10月には「サンゴパパ休業制度」が導入され、新生児が生まれてから8週間以内に4週間の休業を取得できるようになりました。この制度は、育児休業とは別に2回に分けて利用可能です。

育児休業制度の改善により、男性が育児休業を取りやすくなったほか、夫婦が交代で休業を取りやすくなっています。事業主には、2022年4月以降、育児休業制度の周知や休業取得の促進などが義務付けられています。

子供が3歳になるまで、短時間勤務制度や所定外労働の制限などの支援策を利用できます。また、子供が小学校に入学する前まで、看護休暇や時間外労働の制限、深夜業の制限を利用できる制度もあります。法律により、育児休業の取得を理由にした解雇や不利益な取扱いが禁止されており、職場でのハラスメント防止対策も義務付けられています。

育児休業制度についての疑問や相談がある場合は、最寄りの都道府県労働局や雇用環境均等部、雇用環境均等室に連絡することが推奨されます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のYoutubeチャンネルへ