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2024年3月27日

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令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況を発表(厚労省)

令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚労省)

日本全国での医師の数は、令和4年(2022年)12月31日時点で343,275人に達しており、男性医師が262,136人(全体の76.4%)、女性医師が81,139人(23.6%)となっています。この数は、前年比で1.1%、具体的には3,652人増加しています。全国平均で、人口10万人あたりに対する医師数は274.7人で、これも前年から5.5人増えました。

医療施設に勤務する医師の大多数は、327,444人で全体の95.4%を占め、そのうち1.2%増加しています。一方で、介護老人保健施設やその他の非医療施設で働く医師は減少傾向にあり、それぞれ3.1%、2.5%の減少を見せています。

医療施設に従事する医師を性別で見ると、男性が250,064人でわずかに増加しているのに対し、女性は77,380人と前年から4.8%も増加しています。年代別では、30代から50代の医師が最も多く、特に男性医師は全年齢層で女性医師よりも割合が高いです。しかし、29歳以下では女性医師の割合が高まっています。

各診療科に分けて見ると、内科が最も多く、次いで整形外科、小児科の順です。内科には、男性医師が特に多く、女性医師は小児科や眼科に多く見られます。平均年齢では、肛門外科が最も高く、救急科が最も若い平均年齢を示しています。

人口10万人あたりの医師数を都道府県別に見ると、徳島県、高知県、京都府が多く、埼玉県、茨城県、千葉県が少ないです。このデータは、地域による医療資源の偏在を示しています。

以上の情報から、日本の医療界では医師の数が着実に増えており、特に女性医師の増加が顕著です。しかし、地域によっては依然として医師不足が課題となっていることがわかります。医療施設の種類や診療科、性別、年齢層など多角的な視点から医師の分布を把握することが、今後の医療政策を考える上で重要と言えるでしょう。

令和4年度の歯科医師実態調査 全国で見られる歯科医師数の減少とその背景

令和4年12月31日時点で、日本全国には歯科医師が105,267人おり、そのうち男性が77,854人(約74%)、女性が27,413人(約26%)であることが確認されました。これは、前年と比較して2,176人(約2%)の減少となります。特に、人口10万人当たりの歯科医師数は84.2人で、これも前年より1.0人減っています。

歯科医師の職場を見ると、大部分が医療施設に勤務しており、その数は101,919人で全体の96.8%を占めています。これは前年比で2,199人減少しました。一方、介護老人保健施設で働く歯科医師はわずか34人ですが、前年比で6人増加し、約21.4%の成長を遂げています。その他の職場で働く歯科医師は1,562人で、これは前年から84人減少しています。

年齢層別では、60歳から69歳が最も多い年齢層で23,566人(約23.1%)を占め、次いで50歳から59歳が22,398人(約22.0%)となっています。男女比を見ると、どの年齢層でも男性の割合が高い傾向にありますが、29歳以下の層では女性が48.7%を占めています。

施設別に見ると、診療所で働く歯科医師が最も多く、90,257人で全体の大部分を占めています。次に多いのは医育機関附属の病院で8,406人、それに続いて一般の病院が3,256人となっています。年齢層を施設別に分けて見ると、診療所では60歳から69歳が最多で、医育機関附属の病院では30歳から39歳、一般の病院では40歳から49歳が多いことが分かります。

診療科別にみると、歯科医師の大部分が一般歯科に従事しており、87,867人(約86.2%)です。次に多いのは歯科口腔外科で4,431人(約4.3%)となっています。

全国的に見ると、都道府県別で歯科医師の数が異なり、人口10万人当たりで東京都が116.1人と最も多く、次いで徳島県が112.6人、福岡県が105.1人と続きます。最も少ないのは青森県で55.9人、島根県が57.1人、滋賀県が57.3人となっています。

このデータから、日本全国で歯科医師数が減少しており、特に医療施設での減少が目立っています。また、性別や年齢、施設や診療科別での歯科医師の分布にも変化が見られます。各地域における歯科医療へのアクセスに差があることが確認でき、これらのデータは今後の医療政策や人材配置において重要な意味を持つことでしょう。

薬剤師の職場分布とその傾向 最新統計から見える現実

全国で働く薬剤師の人数が最新の統計で明らかになり、その詳細が興味深い情報として提供されています。令和4年12月31日時点のデータによると、日本全国には薬剤師が合計で323,690人在籍しており、この数は前年比で1,708人増加し、約0.5%の上昇を示しています。薬剤師の内訳を見ると、男性は全体の38.4%にあたる124,183人、女性は61.6%で199,507人となっており、女性の方が男性よりも多くを占めています。

薬剤師の職場環境に注目すると、最も多いのは薬局で働く薬剤師で、全体の約58.9%にあたる190,735人です。これは前回の調査から0.9%増加しています。次いで多いのは医療施設で働く薬剤師で、全体の19.3%にあたる62,463人が該当し、こちらも1.4%の増加が見られます。

年齢別に見ると、30~39歳の薬剤師が最も多く82,083人で、全体の約25.4%を占めています。40~49歳が73,232人で22.6%、その後50~59歳、60~69歳と続きます。職場によっては年齢層に差があり、例えば薬局や病院では30~39歳が多いのに対し、診療所や介護保険施設では60~69歳が多くを占めています。

薬剤師の平均年齢は職場によって異なり、薬局では46.8歳、病院は42.1歳、診療所は58.0歳、介護保険施設は59.5歳となっています。このデータは、薬剤師の仕事環境や役割が多様化していることを示しています。

都道府県別に人口10万人当たりの薬剤師数を見ると、全国平均は202.6人で、前回の198.6人からわずかに増加しています。薬剤師数が最も多いのは徳島県で244.0人、次いで兵庫県が236.6人、東京都が235.7人となっています。一方、沖縄県は149.4人と最も少なく、福井県と青森県もそれぞれ163.6人、167.2人と少ない数値を記録しています。

これらの統計データは、全国的に薬剤師の数が着実に増加していること、そして女性薬剤師が多数を占め、年齢層や勤務地によって特色があることを示しています。この情報は、薬剤師に関するキャリアや政策を考える際に重要な基準となり得ます。

増える女性医師と減少する歯科医師 日本医療の変化と課題

日本の医療環境は、医師、歯科医師、薬剤師の数と分布の変化によって大きく影響を受けています。令和4年(2022年)の統計によると、医師の数はわずかに増加しており、特に女性医師の増加率が目立ちます。一方で、歯科医師の数は全国的に減少傾向にあります。薬剤師については、全体の数は増加しており、特に女性薬剤師が多くを占めています。

医師数の増加は、医療へのアクセス改善に寄与している可能性がありますが、女性医師の増加は職場環境や労働条件の改善を反映しているとも言えます。これは医療現場での多様性の向上につながり、患者に対するより幅広い視野での対応が期待できます。

歯科医師の減少は、特に地域によっては歯科医療へのアクセスが難しくなる可能性を示唆しており、地域間での医療格差の拡大を懸念させます。薬剤師の増加は医薬分業の推進や医療の質の向上に寄与していますが、都道府県ごとに薬剤師の分布に偏りがあることも確認されており、地域による医療サービスの格差が存在します。

これらの傾向から、日本の医療は次のような影響を受けています。医療人材の性別比と年齢分布の変化、地域間での医療サービス提供能力の差異、そして医療現場における多様性の増加です。これらの統計は、医療政策の策定や医療人材の育成・配置計画において重要な指標となります。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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