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2024年12月4日

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令和6年10月分調査 建設業界の労働力不足が深刻化、全国で8職種平均2.3%不足と発表

建設労働需給調査結果(令和6年10月分調査)について(国交省)

令和6年10月に実施された建設労働需給調査の結果が発表され、建設業界が直面する労働力不足の現状が明らかになりました。本調査は、全国の建設技能労働者の需給バランスを定期的に把握することを目的として実施されており、今回は約3,000社を対象に調査が行われました。その結果、全国の建設技能労働者8職種における労働力の過不足率は2.3%の不足となり、前月比で0.7ポイント増加しました。また、前年同月と比較しても不足率が0.4ポイント増加していることがわかりました。

調査対象となった職種は、型枠工(土木・建築)、左官、とび工、鉄筋工(土木・建築)、電工、配管工の計8職種であり、これらは建設現場での重要な役割を担っています。特に、型枠工(土木)の過不足率は6.1%の不足、左官工は8.8%の不足という深刻な状況が報告されており、労働力不足が特定の職種に集中していることが示唆されています。一方で、型枠工(建築)は2.1%の過剰という結果が見られるなど、職種ごとに需給バランスが異なる点も注目されています。

地域別では、東北地域における労働力不足が特に顕著であり、8職種全体で4.9%の不足率を記録しました。この数字は、前月比で2.9ポイント、前年同月比では3.6ポイントの上昇を示しており、地域的な偏在が問題視されています。また、北陸地域では前年比で4.4ポイントの不足増加が報告される一方、中国地域では1.6ポイント不足幅が縮小するなど、地域間でのばらつきが見られます。

さらに、今後2~3カ月間の見通しとして、8職種全体では需給バランスが「普通」と予測されていますが、一部地域では引き続き不足が懸念されています。例えば、東北地域では労働力の確保が困難になる可能性が指摘されており、これが建設プロジェクトの進行に影響を及ぼす可能性があります。

調査の詳細では、新規募集における過不足状況も分析されており、8職種全体で不足率が前年比を上回る結果となりました。これにより、建設業界における人材確保の重要性が改めて強調されています。特に、残業や休日作業の増加による負担が、現場での作業効率や労働者の安全性にどのような影響を与えているのかが課題となります。

この調査結果は、建設業界全体にとっての課題を浮き彫りにしています。労働力不足は、特に公共事業や大規模プロジェクトの進行に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、業界関係者は早急な対応を求められています。例えば、労働環境の改善や技能労働者の育成、地方への労働力分散といった取り組みが急務です。また、AIや自動化技術の活用による効率化も、労働力不足を補う一つの解決策として期待されています。

今後の政策や業界の動向によって、建設技能労働者の需給バランスがどのように変化するのかが注目されます。本調査結果を基にした具体的な対策が、業界の持続可能な発展に寄与することが期待されています。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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