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2024年10月1日

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令和3年度立入検査、病院の実施率68.7%!全国5,515施設で実施された結果を公開

医療法第25条に基づく病院に対する立入検査結果について(令和3年度)(厚労省)

令和3年度に実施された医療法第25条に基づく病院の立入検査結果が発表されました。この立入検査は、病院が医療法やその他の関連法規に基づく必要な人員配置や構造設備を備え、適切に管理されているかを確認するために行われるものです。医療施設が適正で高品質な医療を提供する場として機能しているかどうかを評価する目的で実施されています。

令和3年度の立入検査は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、全国8,032の病院のうち5,515病院で実施され、実施率は68.7%に達しました。これは令和2年度の32.1%から大幅に増加しています。検査は主に都道府県や保健所を設置する市、特別区によって行われ、特に感染症対策や院内管理の状況、医療従事者の配置などが重点的に確認されました。

検査結果によると、医療従事者の配置基準に関しては、医師、看護師、准看護師、薬剤師のいずれも適合率が高いことが報告されています。具体的には、医師の適合率は98.3%、看護師および准看護師の適合率は99.4%、薬剤師の適合率は97.9%でした。これらの数値は、前年と比較していずれも改善傾向にあります。例えば、医師の適合率は前年度の97.5%から0.8ポイント増加しており、病院全体として医療体制の改善が進んでいることが伺えます。

さらに、地域別の適合率にもばらつきが見られました。例えば、北海道における医師の適合率は95.5%と全国平均の98.3%に比べて若干低い数値となりましたが、東北や甲信越、東海など一部の地域では99%を超える適合率が報告されています。これは地域ごとの医療資源の偏在や、人口密度の違いが影響している可能性があると考えられます。

一方で、検査の結果、遵守率の低い項目も明らかになりました。特に診療放射線に関連する安全管理体制の整備や、検体検査に係る精度管理の体制整備が課題として浮上しました。診療放射線の安全利用に関する研修の実施状況については、適合率が92.6%と他の項目に比べてやや低く、これを改善する必要があるとされています。また、検体検査に関する台帳作成や作業日誌の整備についても、適合率が96%と他の項目に比べて若干低い結果となっています。

医師や看護師の配置に関しては、病床数による違いが明確になりました。特に100床から199床の中規模病院では、医師の適合率が98.8%と比較的高い一方、50床以下の小規模病院では若干の不適合が見られました。しかし、総じて多くの病院が基準を満たしており、医療従事者の配置については良好な状態が維持されています。

また、精神科病院に関する検査結果も報告されており、ここでも多くの病院が医療法の基準を満たしていることが確認されました。精神科病院における医師の適合率は98.3%であり、看護師や准看護師に関しても99.4%の適合率を達成しています。しかし、診療放射線に関する安全利用の指針策定や改善策の実施に関しては若干の課題が残されており、さらなる改善が求められます。

今回の立入検査は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けながらも、全国の病院が安全かつ適切な医療を提供するための体制を維持していることを確認する重要な機会となりました。特に、病院の管理体制や医療従事者の配置が高水準であることが証明された一方で、特定の項目においては改善の余地があることが示されました。今後も医療機関が適正な医療を提供し続けるためには、こうした立入検査を通じた定期的な評価と改善が不可欠です。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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