2024年9月13日
労務・人事ニュース
令和5年の全国入職者数が8,501.2千人に到達、離職者数7,981.0千人を520.2千人上回る結果に
令和5年 雇用動向調査結果の概要 入職と離職の推移(厚労省)
令和5年における入職と離職の動向について、詳細な分析が行われました。令和5年の1年間で、全国の入職者数は8,501.2千人に達し、離職者数は7,981.0千人でした。これにより、入職者が離職者を520.2千人上回る結果となりました。この統計は、労働市場において人材が全体的に増加していることを示唆しています。
就業形態別に見ると、一般労働者では入職者数が4,497.3千人、離職者数が4,517.6千人であり、離職者数が入職者数を20.3千人上回っています。一方で、パートタイム労働者では入職者数が4,003.9千人、離職者数が3,463.5千人であり、入職者が離職者を540.4千人上回りました。この結果は、パートタイム労働者においては、入職者が増加傾向にあることを示しています。年初の常用労働者数に対する割合である入職率は16.4%、離職率は15.4%で、1.0ポイントの入職超過が見られました。
前年との比較では、入職率が1.2ポイント、離職率が0.4ポイント上昇し、入職超過率は0.8ポイント拡大しました。性別に見てみると、男性の入職率は14.3%、離職率は13.8%であり、女性は入職率が18.8%、離職率が17.3%と、男女ともに入職超過が確認されました。
就業形態別にさらに細かく見ると、一般労働者の入職率は12.1%、離職率も12.1%であり、両者は同率でした。一方で、パートタイム労働者の入職率は27.5%、離職率は23.8%であり、入職超過が顕著に見られました。前年との比較では、男女ともに一般労働者およびパートタイム労働者で入職率、離職率ともに上昇していることが確認されました。
令和5年の職歴別入職状況を見てみると、転職による入職者数は5,409.9千人、未就業からの入職者数は3,091.3千人でした。未就業からの入職者のうち、新規学卒者は1,509.8千人を占め、これにより未就業入職率は6.0%となりました。前年との比較では、転職入職率が0.7ポイント、未就業入職率が0.5ポイント上昇しています。
性別の観点では、男性の転職入職者数は2,613.9千人、未就業入職者数は1,332.7千人、新規学卒者は715.6千人となり、転職入職率は9.4%、未就業入職率は4.8%とそれぞれ上昇しました。女性についても同様に、転職入職者数は2,796.0千人、未就業入職者数は1,758.6千人、新規学卒者は794.2千人となり、転職入職率は11.6%、未就業入職率は7.3%と上昇が見られました。
就業形態別では、一般労働者において転職入職者数は3,178.4千人、未就業入職者数は1,318.9千人で、新規学卒者は954.2千人でした。これにより、一般労働者の転職入職率は8.5%、未就業入職率は3.5%となりました。パートタイム労働者については、転職入職者数が2,231.5千人、未就業入職者数が1,772.4千人であり、新規学卒者は555.6千人となり、パートタイム労働者の転職入職率は15.3%、未就業入職率は12.2%でした。
令和5年における入職と離職のデータは、企業の採用戦略において非常に重要な指標となります。特に、パートタイム労働者の入職超過が顕著であり、企業が人材確保に向けた戦略を見直す必要があることを示唆しています。また、職歴別のデータも重要であり、転職者と新規学卒者の動向を把握することで、企業はより効果的な採用戦略を構築することが可能です。特に新規学卒者の採用に関しては、入職率が上昇していることから、積極的な採用活動が求められるでしょう。
次に、令和5年における男女別の入職状況を分析すると、女性の方が入職率が高い傾向にあり、特にパートタイム労働者で顕著に表れています。これにより、企業は女性の働きやすい環境を整備することで、優秀な人材を確保することが可能になります。また、雇用形態別のデータからも、企業がどのような契約形態で人材を雇用するかを慎重に検討する必要があることがわかります。特に、パートタイム労働者において雇用期間の定めありの入職率が高く、企業が柔軟な働き方を提供することで、より多くの人材を引きつけることができるでしょう。
総じて、令和5年の入職と離職のデータは、企業がこれからの採用戦略を構築する際に考慮すべき重要な情報を提供しています。特に、パートタイム労働者の入職率の高さや、女性の入職率の上昇が顕著であり、これらの動向を踏まえた柔軟な採用計画が求められます。また、職歴別の入職データも、企業がどの層の人材をターゲットにするかを決定する際に役立つ情報となるでしょう。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ