労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和5年危険物事故 火災243件・流出468件、前年からの増加傾向

2024年6月5日

労務・人事ニュース

令和5年危険物事故 火災243件・流出468件、前年からの増加傾向

「令和5年中の危険物に係る事故の概要」の公表(総務省)

消防庁が令和5年の危険物に関する事故の概要を発表しました。火災事故と流出事故の発生状況について、以下のようにまとめられています。

まず、火災事故についてです。令和5年には243件の火災事故が発生し、前年比で17件増加しました。これらの火災事故のうち、一般取扱所での発生が141件と最も多く、次いで製造所で50件、給油取扱所で39件発生しました。重大事故の発生は10件で前年と同数です。これらの重大事故の内訳は、製造所で7件、一般取扱所で2件、移動タンク貯蔵所で1件でした。事故の発生原因としては、操作確認不十分が49件(20.2%)、維持管理不十分が38件(15.6%)と多くなっています。

次に、流出事故についてです。令和5年には468件の流出事故が発生し、前年比で53件増加しました。これらの流出事故のうち、一般取扱所での発生が106件と最も多く、次いで屋外タンク貯蔵所で103件、製造所で73件発生しました。重大事故は12件発生し、前年から1件増加しました。これらの重大事故の内訳は、屋外タンク貯蔵所で4件、移動タンク貯蔵所で3件、一般取扱所で3件、給油取扱所と地下タンク貯蔵所でそれぞれ1件ずつでした。流出事故の発生原因としては、腐食疲労等劣化が168件(35.9%)、操作確認不十分が66件(14.1%)と多くなっています。

令和5年中(1月~12月)の危険物施設に関する事故件数の推移を見てみると、火災事故は243件(前年226件)、流出事故は468件(前年415件)となっています。重大事故については、火災事故が10件(前年10件)、流出事故が12件(前年11件)です。無許可施設や危険物運搬中などの危険物施設以外での事故は19件(前年19件)で、その内訳は火災事故が5件(前年6件)、流出事故が14件(前年13件)となっています。

火災事故による被害は、死者1人(前年2人)、負傷者30人(前年39人)、損害額78億4056万円(前年32億7,153万円)です。流出事故による被害は、死者0人(前年0人)、負傷者11人(前年20人)、損害額8億8589万円(前年5億6,731万円)となっています。

事故の発生原因として、人的要因では操作確認不十分や維持管理不十分、物的要因では腐食疲労等劣化が多く挙げられています。火災事故では静電気火花や高温表面熱が主な着火原因となっており、流出事故では腐食疲労等劣化が最も多い原因です。

危険物施設での事故防止には、操作確認や維持管理の徹底、設備の定期的な点検が重要です。また、事故発生時の迅速な対応や被害の拡大防止策も求められています。消防庁は今後もこれらの取り組みを強化し、危険物の安全管理を推進していく予定です。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ