2024年9月20日
労務・人事ニュース
令和5年度、全国の歯科医療費が対前年比2.6%増加-特に100歳以上で15.7%の大幅な伸び
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最終更新: 2025年5月15日 22:32
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歯科医療費(電算処理分)の動向~令和5年度版~(厚労省)
令和5年度の歯科医療費に関する最新の動向について、厚生労働省が発表したデータを基に詳しく解説します。この報告は、日本の歯科医療費の動向を迅速に把握し、医療保険行政に必要な基礎資料を提供することを目的としています。報告書には、歯科医療費の年度別伸び率や地域別の差異、年齢階級別の医療費の動向など、さまざまな視点から詳細なデータが記載されています。
まず、令和5年度の全体的な歯科医療費についてですが、入院および入院外の合計で、対前年度比+2.6%の増加が見られました。受診延日数も+1.3%の増加、一日当たりの医療費も+1.3%増加しています。このような伸びは、歯科医療サービスの需要が引き続き高いことを示しています。
制度別に見た歯科医療費の動向では、被用者保険が+3.8%増加した一方で、国民健康保険は▲2.9%と減少しているのが特徴的です。また、後期高齢者医療制度では+5.7%の増加が見られ、公費負担による歯科医療費も+3.2%増加しています。このデータから、特に高齢者向けの医療サービスへの需要が高まっていることが分かります。
医療機関別に見ると、歯科病院の医療費は+8.4%、歯科診療所は+2.3%の増加となっています。特に歯科病院での伸び率が顕著であり、これは大規模な治療や入院を伴うケースが増加していることを示している可能性があります。
地域別に見ると、都道府県ごとの歯科医療費の伸び率にはかなりのばらつきが見られます。滋賀県では+4.6%と最も大きな増加が見られた一方、秋田県では+0.5%とほぼ横ばいです。この地域差は、人口構成や地域ごとの医療インフラの整備状況が影響していると考えられます。
年齢階級別に見ると、100歳以上の年齢層では+15.7%と非常に大きな伸びが見られます。一方で、70歳以上75歳未満の層では▲4.4%の減少が見られました。このデータは、高齢化が進む中で、特に100歳以上の高齢者が増加していることを示しており、それに伴い、医療サービスの需要も増加していることがうかがえます。
歯科疾病分類別では、歯周炎等の医療費が+3.1%、歯肉炎が+4.8%と増加している一方で、う蝕(虫歯)は▲1.3%、補綴関係は▲1.4%の減少が見られました。歯周病関連の治療への需要が増えていることが示されており、予防歯科の重要性がさらに増していることが推察されます。
また、診療内容別に見ると、歯冠修復及び欠損補綴の医療費は▲2.3%減少しましたが、処置や医学管理、検査・病理診断などの項目ではそれぞれ+4.5%、+6.6%、+6.0%と増加が見られました。これは、予防や早期発見、管理に重点を置く歯科医療が増えていることを反映していると言えるでしょう。
さらに、歯科用貴金属に関する医療費では、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の医療費が▲10.5%減少し、他の合金でも同様の減少傾向が見られました。これに対し、歯科鋳造用銀合金第1種(銀60%以上)では+1.4%の増加が見られました。金属価格の変動や治療技術の進展、患者の選好の変化が影響している可能性があります。
総じて、令和5年度の歯科医療費の動向は、高齢者向け医療サービスの需要増加、地域ごとの医療インフラの整備状況による差異、予防・管理に重点を置く医療サービスの伸びなど、さまざまな要因が影響していることが読み取れます。これらのデータは、今後の歯科医療政策の方向性を示唆するものであり、医療機関や政策立案者にとって重要な指針となるでしょう。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ