2024年11月29日
労務・人事ニュース
令和5年度、移住相談件数が過去最多!全体で40万件超えの背景とは
令和5年度における移住相談に関する調査結果(移住相談窓口等における相談受付件数等)(総務省)
令和5年度の移住相談に関する調査結果が公表され、移住相談窓口やイベントでの相談件数が過去最多を記録したことが明らかになりました。全国の移住相談窓口では、総計40万8435件の相談が受け付けられ、これは令和4年度から約3万8103件増加しています。この中には窓口での直接的な相談が32万9776件、イベント形式の相談が7万8659件含まれており、いずれも前年比で増加しています。特に宮崎県、長野県、福島県が多くの相談件数を記録し、地方移住への関心の高さがうかがえます。
移住相談の増加の背景には、さまざまな要因が挙げられます。まず、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことで、移住に対する心理的なハードルが下がったことが一因です。また、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型イベントの増加が、全国の移住希望者に柔軟な相談機会を提供しました。さらに、移住支援制度の拡充や、各都道府県による積極的な情報発信活動も、窓口の認知度を高め、相談件数増加に寄与したと考えられます。
都道府県別の常設移住相談窓口も179か所と過去最多となり、前年から増加しています。首都圏には73か所、近畿圏には28か所、中部圏には9か所設置されており、全国的に相談体制が整備されています。これにより、地方移住を考える人々が、より気軽に専門的なアドバイスを受けられる環境が整いました。
さらに、移住相談が活発化している背景には、地方自治体による支援策の進化もあります。多くの自治体が移住者への経済的助成を新設したり、既存の支援額を増額したりすることで、実際の移住コストを軽減しています。これにより、移住希望者が現実的に移住計画を立てやすくなっています。
また、調査結果を詳細に分析すると、地域ごとに異なる傾向が見られます。例えば、宮崎県では年間2万2548件の相談があり、全国最多の相談数を記録しています。長野県は2万586件、福島県は1万8603件と続き、これらの地域が移住先としての人気を集めています。一方で、相談件数が少ない県もあり、地域間での取り組みの格差が課題として浮き彫りになっています。
自治体ごとのイベント開催状況や相談対応の取り組みも多岐にわたります。対面型の相談イベントが増加しただけでなく、オンライン相談を活用することで、地理的な制約を超えた相談が可能になりました。これにより、都市部から遠隔地への移住を希望する人々にも相談の機会が提供されています。
移住相談件数の増加が過去最多を記録したことは、地方移住への関心が高まりを見せていることを示しています。これを機に、さらに具体的な移住支援策が拡充されることが期待されます。また、移住者を受け入れる地域社会の準備や、地域資源を活かした新たな産業の創出も重要な課題として注目されています。移住相談窓口や関連イベントの役割は、今後さらに重要性を増していくでしょう。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ